元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『「少年A」この子を生んで・・・一悔恨の手記』  「少年A」の父母
2007-05-17 Thu 14:16
「少年A」この子を生んで…―悔恨の手記「少年A」この子を生んで…―悔恨の手記
「少年A」の父母

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 11年前の神戸の事件関連の本、読むの後回しにし続けてたけど、ようやく読んでる。今さら感漂わせながら読んでたけど、福島の戦国猛者のような事件で再びコイツの名前をちらほら聞く。「少年犯罪」「首切り」という繋がりだから出て当然だ。
 稀に見る凶悪少年犯罪者の両親が出した手記ということで、軽く注目されてたこの本。父親の日記と母親の手記が書かれている。
 少年逮捕後から書き始めた父親の日記は、息子がこんな事件を起こして警察行ったりバッシングされたり変なハガキが来たり住む所追われたりして、とにかく現状の大変さが書かれている。大変だとは思うけど、何か認識が違うような気がする。どこか他人事めいてるのは、呆然としてるからか?日記ならそれは仕方ないけど、事件から1年経って出してるんだから日記載せて済ませてる時点でおかしい。「あの時は大変だったなぁ」で済ませてる印象を受ける。
 母親の手記も、少年Aは自分の前ではいかに普通の子供だったかを書き連ねている。母親としてかなり偏った書き方をしてるっぽいのに、読み手にはやっぱり異常な部分がちらほら見える。手に腕時計を巻きつけて同級生を殴り続けるとか、ヤンキーの喧嘩じゃあるまいし。
 両親共、少年Aが隠し切れなかった異常な部分を薄々気付きながらも、どうしようもなかったように見えるんだけどなぁ。もちろん、そういう異常って親にはどうすることもできない事もあるとは思う。事件後の大変さも並じゃないだろうし。でもその程度の内容を、わざわざ手記という形で出版する必要があったんだろうか。
 この本の出版において、被害者側は抗議文書を出した。でも出版した。何がしたいんだろうか?お金が欲しかったんだろうか?世間に、自分達はどうしようもなかったんだと言い訳したいんだろうか?どんな理由にしろ、やはり人と違うところがある家族のようだ。
 ちなみに被害者の両親が起こした裁判で、この加害者両親は賠償金は払えないと言い、本の印税はAの弟達の大学進学に使うと言ったそうだ。裁判官に叱られて月々2万の分割にさせてくれと言ったという噂がある。本当だろうか?賠償金はいくらか知らないけど仮に1億だとする。月々2万って、数百年掛かるんだけど。『心にナイフを忍ばせて』のサレジオ事件といい、加害者の意識って本当、こんなもんなんだなと思い知らされた。
 Aの母親のたまごっちの件や、淳君の葬式での暴言はどう言い訳するのかと思ってたら、そこには触れてない。謝罪の言葉は少なく、言い訳ばかり。どの辺りが「悔恨の手記」なのか、大いに疑問が残る本だった。
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