元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『さいはての島へ-ゲド戦記3』  アーシュラ・K.ル・グウィン
2007-08-07 Tue 20:20
さいはての島へ―ゲド戦記 3さいはての島へ―ゲド戦記 3
アーシュラ・K. ル・グウィン

岩波書店 1977-01
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 またまた主人公が変わる。父親である国王の命令で大賢人ゲドに、世界のあちこちで魔法の力が弱まっていくとい報告をしに来た少年アレンが主人公。ゲドは魔法使いの頂点、大賢人として登場する。
 ゲドとアレンは世の中でどんどん魔法が廃れていく様子を目の当たりにしながら、西の果てで生と死の境の扉を閉めるための旅を続ける。
 1巻では若者が自分と戦うことを、2巻では自由の苦しさと喜びを描いてきたけど、3巻は人間の欲とか快楽の追求というところかな。
 アレンの感情は、旅を続けるにつれて揺れていく。ゲドへの憧憬が不信に変わったり、物騒な輩からゲドを守ろうという決意が絶望を目の当たりにして諦めに変わったり。やっぱり最近の「仲間を信じて!」というファンタジーとは一味違うなぁ。人間の感情の奥深さがしっかりと描かれているものは、ファンタジーではあまり見ない。だから、ご都合主義とか言ってファンタジー嫌いの人多いのかもな。
 『ゲド戦記』は40年近く前から少しずつ出版されているシリーズ。だけど人間の根底まで掘り下げ、そこから汲み上がった物がうまく絡まった物語だと思う。暗いけど。
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