元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『オーデュボンの祈り』  伊坂 幸太郎
2007-06-17 Sun 22:36
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伊坂 幸太郎

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 よく聞くタイトルだったから読んでみたけど、伊坂幸太郎のデビュー作だった。有名な人のデビュー作って好きだ。
 コンビニ強盗に失敗した主人公の伊藤は、逃走途中で意識を失う。気付いた場所は、江戸時代末期の開国以降も外部との交流を断った孤島。そこには人語を話し、未来を見通せるカカシの優午が島民達に崇拝されていた。
 本島とそう変わらないながらも所々に独自の文化を持つ島は、不思議な人がたくさん存在する。島でただ一人だけ外界と行き来する男、反対のことしか言わない画家、断罪人のガンマン、体重数百キロの女性などと、個性豊かで面白い。
 伊藤が来た直後、人々が崇拝していたカカシの優午が何者かに殺される。形としては「壊された」になるんだろうけど、人語を話し未来を読むカカシだから「殺された」になるようだ。未来を読むのになぜ自分が殺されることを予知できなかったのか、予知できたのに防げない理由があったのか、伊藤は事件の真相を探ることになる。
 こういう不思議ワールドはわりと好きだ。妙に直喩が多い文章が気になったけど、それを以上に面白い。前に読んだ『アヒルと鴨のコインロッカー』よりこっちが好きだと思う。
 でも、城山って結局何だったのかなぁ。壊れた人間としてずっと書かれてたわりには過去の話ばっかで伊藤と絡むことなくあっさり最期を迎えるし。いまいちストーリーの中に絡んでないような。とはいえ私は意外とこういうキャラ好きだったりするけど。いや、もうちょっとエグい人でも好き。だからこそ、上手く絡めて読めなかったのが残念。私の読解力不足か?
 この作家さんの本、機会があったらまた他の作品も読んでみたいかな。 
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