元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『大きい1年生と小さな2年生』  古田 足日/中山 正美
2016-09-15 Thu 03:29
大きい1年生と 小さな2年生 (創作どうわ傑作選( 1))
古田 足日
偕成社   1970.03.01
売り上げランキング: 16,254

 2年生なのに幼稚園児と間違われるくらい背の低いあきよは、とても気が強い女の子。1年生になったばかりなのに3年生と間違われるくらい背の高いまさやは、弱虫で泣き虫な男の子。同じ登校グループで登校する時に怖い道であきよに手をつないでもらってから、まさやはあきよにすっかり懐いてしまう。あきよも大きいくせに頼りないまさやを、ほっとけないと思っていた。
 ある日まさやは母親と喧嘩して家出をしておじいさんの家を目指し、ついでにあきよが大好きなホタルブクロの花も取りに行くことにする。気の弱いまさやだったが、しっかり者のあきよの行動を思い出しながら勇気を出して歩いていく。

 
 めっちゃ気が強い女の子っているよねー。小学校の時の私とかさー。・・・若干黒歴史に分類されてるから、あんまり思い出したくないな。あと、どうにも気が弱い怖がりの子も、一定数いるいる!でもって、横暴な上級生も自分達の遊びこそ一番偉いって感じの3年生男子も、いるいる!まさやのお母さんみたいに、どうしようもない性分をつい叱っちゃうのは、母親としてあるある!って、私じゃん!っていう、とてもリアルで身近で活き活きとした人物像にだった。
 子供って必ず成長するのかな?いや、あきよとまさやは、お互いがいたから乗り越えるべき心の壁を乗り越えただけであって、誰にでも当てはまる事ではないのか?と、現在我が子の心の成長に悩む私は、読後に本気で考え込んだ。うーん、きっと成長はするけど必ずしも良い方向に成長するとは限らない、が正解かな。で、この本はフィクションの児童書だから、良い方向に成長してる。良い方向に成長させるには、必死で育児しないといけないんだろうなぁ。
 と、どうしても親目線で読んでしまう。いや、成長の事に着目しちゃうのは、子育て真っ盛りの親なんだから仕方ない。まさや君それは恋って言うんだよ、とか思いながら読む自分が、ちょっと情けなくなった。まさやはあきよを尊敬してる感じだけど、その尊敬は絶対恋になるはず。結婚式ではまり子がスピーチするってところまで考えて、本当に思考がおばさんになったと気付いた。
 この本は、活字が得意だからと言って未就学児が読んでも面白くないと思う。幼稚園、保育園とは全く違う、小学校の世界を知って初めて、自分で行動する事の勇気、発見、限界なんかを追体験できる本なんだろうな。うちの子は今1年生だけど、2年生になってからもう1回読ませてみたい。初めて下級生が出来た時、また違った面を発見できるんじゃないかなぁ。
 
 昔からある本だとは思ってたけど、久し振りに読んでみて子供の行動の自由さは古さを感じた。で、まさやがお菓子を買う時の物価に、かなりの古さを確信した。ダメ押しで、まさやがカラーテレビがある家庭にびっくりしてるシーンで、どんだけーと衝撃。
 出版年、1970年・・・。そんなに古かったのか。思い返してみたら確かに、まさやのお母さんの突き放す感じは昭和の育児だよなぁ。時代が変わると、ちょっとだけ色褪せるシーンがあってちょっと面食らう。どうにも仕方ないんだけど、なーんか気になっちゃうんだよね。時間って残酷。
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