元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『孤島パズル』  有栖川 有栖
2016-04-19 Tue 13:26
孤島パズル
孤島パズル
posted with amazlet at 16.04.19
有栖川 有栖
東京創元社   1989.07
売り上げランキング: 637,233

 学生アリスシリーズ2巻目。主人公・有栖川有栖が2年生になり、推理小説研究会にはアリスと同じ法学部2年生の有馬麻里亜が入会していた。
 大企業「アリマ」の創設者であるマリアの祖父・鉄之助は無類のパズル好きで、C字型の南の孤島・嘉敷島を舞台にパズルを作った。パズルを解いた者だけがたどり着ける場所に5億相当と思われるダイヤを隠した事が、5年前に亡くなった際に遺言状と共に発表されたと言う。そして3年前、マリアの従兄の英人がモアイの向きにヒントがある事を突き止めた直後に海で溺死したそうだ。
 その島の望楼荘に、この夏アリスと江神二郎がモアイの謎を解くために招待された。有馬家の親類や友人、計13人が集まったこの島で滞在2日目の嵐の夜、マリアの伯父・完吾と娘の須磨子の銃殺死体が発見される。迎えの船は3日後にしか来ず、唯一の連絡手段である無線は破壊されていた。
 次の日の夜、今度は望楼荘の反対側にある魚楽荘に1人滞在する画家の平川至が銃殺されていた。彼はなぜか、作りかけだったジグソーパズルを破壊して事切れていた。
 その後、一人で離れに立てこもった故人英人の弟・和人が、自白の遺書と共に銃で自殺していた。


 連続殺人事件に2回も巻き込まれたんだから、もっとリアクションしてよ!っていうのはシリーズもののミステリーには言っちゃいけないんだよね、きっと。
 青春が眩しすぎる!という感じの、アリスとマリアの仲の良さ。友達以上恋人未満っていうのかなぁ。いや、友達なのか。青春時代が忘却の彼方に行ってしまった私には、何だか本当に眩しかった。
 かなりの上から目線で言わせていただくと、『月光ゲーム』と比べていい意味で力が抜けてたと思う。『月光ゲーム』はデビュー作だけあって、長年練りに練って作者はそれぞれのキャラのイメージが完成してたんじゃないかな。それが読み手には・・・ていうか私にはほとんど伝わってこなくて被害者も加害者も誰だっけ状態だった。
 今回、最初の登場人物紹介で名前がズラッと並んでるのを見て「また苦手なパターンか・・・」と思ったけど、キャラクター性も立ち位置もベタではっきりしてて『月光ゲーム』より随分楽しめた。わかりやすいキャラ分けって大切だなぁ。
 殺人が起こるまでの長さも相変わらずだったけど、モアイの謎やなーんか怪しい英人の死、須磨子夫妻と完吾の不穏な雰囲気なんかを楽しんでるうちに過ぎて行った気がする。難を言えば、アリス達がもうちょいパズルに取り組む姿が欲しかったかな。
 あと、展開もベタだったかな。モアイの向きがバラバラって時点で、モアイの目線を繋げるんじゃ・・・?そういうパターン、あるあるだよね、とか。英人を殺した和人の死は自殺じゃなくて他殺らしいなら、一番動機があるのは礼子なのに誰も疑いの目を向けないのは不自然過ぎない?とか。そういうベタ設定を、江神が論理的に結び付けて宝の隠し場所もトリックも犯人も導き出す。私には、ちょうどいいわかりやすさだった。その分、先を読みたい気持ちが膨らんだように思う。
 でもって前作でも思ったけど、アリスって冴えないけどいい奴って感じ。今後ますます面白くなっていくのかな。期待したい。
 
 今回も表紙画像がなかったから、文庫版のデータを張り付けた。
孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
有栖川 有栖
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