元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『さいごの戦い―ナルニア国ものがたり7』  C.S.ルイス
2009-05-27 Wed 09:24
さいごの戦い (ナルニア国物語)さいごの戦い (ナルニア国物語)
ポーリン・ベインズ 瀬田 貞次

岩波書店 2005-11-11
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 ライオンの毛皮を拾った毛ザルのヨコシマとロバのトマドイ。ヨコシマはその毛皮をトマドイに着せて、アスランになりすますことを思い付いた。長いことアスランが姿を見せていなかったナルニアで、住民たちはライオンの毛皮を着たトマドイをアスランだと信じてしまう。
 カロールメンと手を組んでナルニアの住民達を奴隷のように扱うヨコシマに疑念を抱いたチリアン王は、親友の一角獣・たから石と共に立ち向かう。しかし狡猾なヨコシマやカロールメン軍によって窮地に立たされていく。ナルニアはカロールメンから侵略されることとなった。

 「ナルニア国ものがたり」シリーズ最終巻。先日6巻目を読んだ時は出産近いから最終巻は当分読めなさそうと思ってたのに、何だかんだで読めちゃった。
 この巻は全シリーズの中で一番面白かったように思う。ヨコシマとカロールメン軍のデマのせいでチリアン王子がどうにも身動きが取れない状態になってしまう。今回は敵がちょっと頭を使った作戦で来たもんだから、どう打破するのかとドキドキした。これまでは勇気ある行動を求められることが多かったけど、今回は下手に動くと墓穴を掘ることになる状態。でも、結局はアスランの不思議な力で全て解決なわけなんだけど。
 この最終巻で人間界から来たのは、ピーター、エドマンド、ルーシィ、ユースチス、ジル、ポリー、ディゴリーの7人。彼らは時々会ってナルニアの話をしているそうだ。けどスーザンだけはナルニアを信じない大人になっていて、他の人がナルニアの話をしても昔遊んだごっこ遊びとしか覚えていない。子供時代にこの本を読んでいたらスーザンのようにはなりたくないと思っただろうけど、三十路の私としては仕方ないよなぁって思ってしまう。でもスーザンって最後まで目立たない存在にさせられてる、かわいそうな子でもあるよな。
 それにしても、このラストには驚いた。みんな死んでるって・・・。で、みんなして神の御許へ行ったみたいな?ナルニアが終わり、ナルニアに関わった人はみんな死に、ペベンシーきょうだいの両親も死に、スーザンは残ったわけか。で、懐かしい面々とも再会できる。ちょっと戸惑う結末だな、これは。キリスト教ではこれが幸福なんだろうか。「え?」って感じで終わった。
 「ナルニア国ものがたり」シリーズが聖書を強く意識して書かれてることは随分前に調べて知ってたけど、知らずに読んで理解できただろうか?西洋宗教臭いなぁとは思ったかもしれない。少なくとも知らずに読んでたら、このラストには納得いかなかっただろうな。
 ちなみにアスランはアスランより偉大な存在の息子だから、神そのものではないらしい。神の子=キリストということか。で、エドマンドが『ライオンと魔女』で裏切った時、その罪を許し身代わりとなって処刑されたけど復活したというシーンが既にキリストの復活のことだったらしい。で、ナルニアとカロールメンの戦いがハルマゲドンで、その後、最後の審判でキリストの教えに忠実に生きてきた善人だけがミレニアムキングダムに行けるっていうシーンがこの『さいごの戦い』のラスト。ルイスがそう言ってるわけじゃなくてあくまで一説らしいけど、なるほどなー。まさに宗教書じゃないか。カロールメンはイスラム教という説が有力だとか。そうだとしたら結構蔑視した書き方してる気がしなくもない。アスランはタシ神を信じている若者にも優しかったし認めていたけれども。
 ナルニアが滅んで、隣国であるカロールメンやアーケンがどうなったのかはわからない。ナルニアを竜や大きなトカゲ類が荒らしまわってなくなってしまったシーンはあるけど「ナルニアを」荒らしたとしか書いてない。しかしその後昇ってきて太陽は黒ずんでて死にゆく太陽だとか。カロールメンやアーケンなんかはどうなったんだろう。キリストを信仰してなかったから選別されず、滅んだってことなのか?そういうところ、わざと書いてないのかアスラン信仰者以外はアウトオブ眼中だったのかも不明。ただ、キリスト教じゃない私から見たら、そういうとこちょっと微妙・・・。宗教ってやっぱり怖いもんだ。

1956年刊。アマゾンの画像は新装版。
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