2009-04-19 Sun 23:15
MGと呼ばれる天才ゲームクリエイターの相良一登は深夜のコンビニでバイトをしていたヨリという少女を、ゲームキャラクターのモデルとしてスカウトする。ヨリの彼氏・ヨシトシからはモデルにするのはいいが手は出すなと釘を刺され、MG自身にも結婚の約束をした裕香がいたが、MGとヨリはお互いなくてはならない存在になっていった。 その一方でMGが元同僚と設立したゲーム制作会社デジタルアーミーは、大手ゲーム会社のエッジ・エンターテイメントから手を組みたいという話を持ちかけられていた。5人の社員は、賛成派と慎重派で意見が分かれる。 主人公をMGという記号にしたのは良くない気がする。記号にしたのに半端に人間くさく、変にか弱い人間がクールぶってるように感じられた。最初は何だかかっこよさげだったんだけどな。 背中に翼の刺青がある魅力的な女の子が主人公と惹かれ合うのはセオリーだけど、そこまでの過程とかベッドシーンとか、何でこんなにチープなんだろう。IWGPの時にはドライなのにもっと血の通った濡れ場を描いてると思うんだけど、この作品では男の憧れか?っていうくらい現実味がなかった。 裕香もヨシトシも設定としては魅力ある人達に思えるのに、作品の中でコンパクトに収められてて微妙な立ち位置のままラストシーン突入しちゃうし。 仕事の話もいまいち。クリエイティブな仕事をしていて主人公が創作の苦しみに耐えてるっぽいのに、その苦しみは読んでてもいまいち伝わって来ない。仕事仲間が腫れ物に触るかのように接してるだけで、主人公のMGからは苦しみを読み取れなかった。ゲーム制作に詳しい人が読んだらもっとわかるんだろうか。私はゲームがどうやってできていくのか全く知らないから、わからなかったのかもしれない。 エッジの社長・廣永が明らかに吸収しようとしてるのに、何だか能天気に「俺らの実力」を過信している社員達も平和ボケだし。ヨリが不思議な力で廣永の企みを暴くんだけど、え?気付いてなかったの?という程度の企み。もっとドロドロした巨大な陰謀でもあるのかと思ってたのに、底浅さにがっくり。 石田さんらしい文章で読みやすくて、この先に何か面白い事件とか出来事とかあるはずと思いながらスイスイ読んだら大したことないまま終わった。講談社に無理やり書かされたのか? |
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