元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告 |
『LOVE or LIKE』  石田 衣良 他
2006-09-10 Sun 11:06
LOVE or LIKELOVE or LIKE
石田 衣良

祥伝社 2006-07
売り上げランキング : 167090
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 6人の男性作家による淡い恋愛のアンソロジー。

『リアルラブ?』  石田 衣良
 セフレ関係にあるカナコとヤス。カナコはバイト先のチーフに恋していて、ヤスは常連客のマダムに憧れを抱いていた。
 チーフに結構本気っぽいカナコと、淡い憧れ程度の気持ちしか見えないヤス。なのに協力しようとグイグイ余計なお世話を押し付けるカナコがうっとおしい。2人の関係は石田さんっぽいとは言えるけど、短編でこれ以上の関係に進まないまま終わると「で?」で感じになる。こんな中途半端な感じで終わらせるのは石田さんらしくない。

『なみうちぎわ』   中田 永一
 5年間の昏睡状態から目覚めた「わたし」。家庭教師をしていた小学生の小太郎は高校生になり、毎日「わたし」の様子を見に来てくれていた。5年前に海で溺れそうになった小太郎と、その小太郎を助けようとした「わたし」の物語。
 「わたし」の側に居続けようとする小太郎と、マイペースな「わたし」の関係から起こる2人の会話が楽しい。乙一だという噂のある覆面作家さんだけど、会話の感じとか最後にちょっとした驚きがあるところとかは似ている。もし別人だったとしたら、もっと色々書き続けて欲しい作家さんだと思う。

『ハミングライフ』   中村 航
 小さな雑貨屋を任されている「私」は、昼休みに昼食を取る公園で猫を見付けた。その猫に毎日牛乳とカツオブシをあげることにした「私」は、ある日近くの木のウロに手紙が入っているのを見付ける。木のウロを利用して誰かとの文通が始まる。
 微笑ましい話ではあるけど、私には何だかメルヘン過ぎる。そのメルヘンさが胡散臭い。

『DEAR』   本多 孝好
 小学6年生で転校してきた笹山はるかは、社宅の隣の部屋に引っ越してきた少女だった。彼女に好意を寄せる「僕」、黒崎、舟木は、彼女を誘って4人でよく一緒に遊んでいた。笹山は父親が会社のリストラに関わっているために、段々とクラスから疎外されるようになっていった。笹山が再び転校していく前に告白した3人だったが、笹山は返事を手紙に書いて二十歳になったら教えると言って池の底に沈めた。8年後のクラス会では、AV女優となった笹山で話が盛り上がる。
 転校してきた美少女がいじめられるというありきたりな話。ありきたりはありきたりに面白いけど、短編なんだからもうちょっと捻りが欲しかった。

『わかれ道』   真伏 修三
 高2で転校してきた新川幸恵という美少女に市営球場に呼び出された「僕」。少し話して映画を見たが、そのデートをやたらと気にする女子に人気の友人・本神。他の人には一度デートしただけの「僕」と付き合ってると言っている新川を気にしつつも、話しかけることはできないでいた。
 2話続けて美女転校生の話がくると、ちょっと「またか」って思う。「僕」の気持ちも曖昧だけど、新川の存在そのものが浅くて掴みどころがない。そのために話自体がただの夢オチになってもおかしくないぐらい淡い。

『ネコ・ノ・デコ』   山本 幸久
 真弓子が経営する「ネコ・ノ・デコ」はつっ気ごとにアーティストの作品を展示・販売をしている。その日は新しい客であるボンジュール野火止と会う予定になっていたが、実際会ってみると彼女は高校時代の同級生・藤枝美咲だった。彼女から高校の同級生が集まる飲み会の様子を聞いた真弓子は、数年前まで働いていたランジェリーパブに高校の同級生である橋本と大河原が来た時の事を思い出した。
 これまでの5話とは違う感じがした。生活のために働いていたランジェリーパブに高校の時に好きだった大河内が来てしまい、開き直った接客を始めた真弓子を見て彼は怒ったように帰っていく。大河内は真弓子を振ったはずだけど不愉快になってしまう彼の気持ち、男心は複雑だなぁ。空気を読めなさすぎの橋本には腹立つけど。

 祥伝社が 『I love you』 と同じような主旨で作った物だとは思うけど、執筆者のネームバリューだけじゃなく内容の充実度も随分劣るようだ。いいなと思える話もあったけど、大半はスカスカした妄想恋物語だと思う。
 
別窓 | [アンソロジー] | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<『まほろ駅多田便利軒』  三浦 しをん | よむよむ記 | 『こわれた腕環-ゲド戦記2』  アーシュラ・K.ル・グウィン>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック


| よむよむ記 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。