元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『心霊探偵八雲―SECRET FILES絆』  神永 学
2009-01-29 Thu 00:30
心霊探偵八雲―SECRET FILES絆心霊探偵八雲―SECRET FILES絆
神永 学

文芸社 2007-05
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 八雲の過去を知るために一心を訪ねた晴香は、一心と後藤から八雲の「忘れられない人」の話を聞く。八雲が中3に起こった事件を綴る外伝。
 周囲を拒み、授業もさぼりがちである斉藤八雲。彼を気に掛ける担任の高岸明美は家庭に問題があるのではと考えて家を訪問した。そこで彼女は、高校時代の家庭教師だった斉藤一心と再会する。明美は八雲の生い立ちを聞くと同時に、自分が強姦された時にできた娘がいることを一心に打ち明けた。
 八雲が通う中学校では幽霊が出るという噂があった。日頃八雲を疎ましく思う司は、夜の学校に来るように八雲に言いつける。八雲は行かなかったが、司達と共に集まったメンバーの中の佐和子が異変をきたして翌日から学校を休んだ。佐和子は赤ん坊の幽霊に取り憑かれていた。
 宮川と組んでいた後藤は、無免許で悪質な産婦人科医のタレコミを追っている時に数人から暴行を受けている八雲と出会う。

 明美も目が赤い男に監禁・強姦されて子供を産むことになったという女性だけど、その人が一心と知り合いだったなんて何という偶然だろうか。それとも、赤目男が梓を選んだことと明美を選んだこと、何か意味があるんだろうか。赤目男、十数年経ってからも似たようなことやってやがるんだな。
 明美が一心に打ち明けた時は、赤目については何も話していない。でも八雲は赤ん坊の霊を見て気付いたようだ。そんな異母兄妹って・・・と思うけど、赤ん坊の奈緒をあやす八雲はちょっとかわいい。
 それにしても一心、切ない。明美も切ない。監禁・強姦されて双子を産み、両目が赤かった方の子を思わず落して死なせてしまうとか。一心に再会してプロポーズされ、間もなく幸せになろうとしてた時に殺されるなんて無念だったんじゃないか。でも、明美は八雲に感謝しながら死んでいく。そんな彼女の死亡届を偽装して、明美との婚姻届を出した一心の愛情は深い。
 ところで、明美は行方不明になってその後私生児を生んだってことになる。学校ってそんな人を教師にしてて大丈夫なものなんだろうか。被害者にさえ冷たいのが教育現場なのになぁ。って、あんまりリアリティを追求しちゃいけないんだった。だから死亡届の偽装の方法とかツッこんじゃダメなんだろうな。
 同時収録の「亡霊の叫び」は、公園の池で発見された異常な死体について捜査する後藤の話。鑑識の松村から、霊が映り込んでいる現場検証の写真を見せられた。先日事件で関わりを持った斉藤八雲に協力を依頼するという話。高岸明美と高峰朋美を間違えるとか、後藤さんアホ過ぎ。
 八雲は今よりさらにトゲトゲしいけど、あんまり変わってない。思春期の八雲ならまさにこんな感じだろうなぁという、あんまり捻りのない姿が描かれている。あとがきに「違和感を覚えたかたも多いのではないでしょうか」と書いてあること、逆に驚いた。え?神永さん八雲にギャップ持たせたつもりだったの?みたいな。確かによく喋るようにはなったと思うけど。
 いや、この本はそう深く考えず、一心と明美の結ばれなかった気持ちのことだけを思おう。明美が八雲に話す、一心のプロポーズの様子がかわいい。何かもう、本当に円満に終わって欲しかった。でもこれは外伝で、本編ありきのストーリー。覚悟して読んでたから痛みは少なかったけど、何も知らず何も考えずに読んでたらと思うと・・・。やや呆然とした後、腹が立つだろうな。フィクションに対するやり場のない怒りとか空しいだけなんで、読む時覚悟ができてたことがありがたい。これもウィキのおかげ。
 さて、次は最新刊である7巻目。赤目男の母親が出てくるらしいけど、なかなか惨い死に方をしてる人っぽいからこれも覚悟して読まねば。ていうかもう、このシリーズは読むのが段々精神的につらくなってきた。もういっそ、八雲は早く赤目男の霊をやっつけて晴香ちゃんとラブラブして欲しいわ~。
別窓 | [か行の作家]神永 学 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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