元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『一瞬の風になれ 第一部 イチニツイテ』  佐藤 多佳子
2008-12-03 Wed 22:18
一瞬の風になれ 第一部  --イチニツイテ--一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
佐藤 多佳子

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 「俺」こと新二は幼い頃からサッカーをやっているが、才能に恵まれた兄・健ちゃんにはどうしても追いつけない。健ちゃんが小学校から通うサッカー強豪の学校に、中学受験でも高校編入試験でも落ちてしまった。自分の才能に限界を感じ始めていた「俺」は、サッカーを止めて適当な高校に入学する。
 幼馴染みの連も同じ春野台高校になり、「俺」は連が伝説的なスプリンターだったと知った。体育の授業で連の圧倒的速さを見た「俺」は彼に陸上部を強く薦め、「新二も走る?」の一言で自分も陸上部に入る事を決めてしまった。
 サッカーの天才である兄とは違う道を選んだ「俺」は、今度は連の走る姿に魅了されながら陸上に染まっていく。

 2007年の本屋大賞を、一体いつ読んでるんだという疑問。今住んでるとこは人口が多すぎて、油断すると予約数が3ケタ後半とかなってしまってどうにも大変だ。期待感も忘れかけてる頃に届いたんで延滞ギリギリになって慌てて読んだんだけど、やっぱ面白いわこれ。予約入れた頃の期待通りじゃないか。1~3まで全部読んでから感想書こうと思ってたけど、期待以上に面白かったのが嬉しくって1冊目が終わった時点でパソコンを開いてこれを書きだしている。
 努力、葛藤、友情、恋と、青春もの扱う素材はどうしてもありがちになってしまう。そこをどう料理するかが作家の力量ってやつなんだろう。でもってこの作品、そこんとこがとっても上手い。
 主人公は金髪だし語り口調もアホっぽいけど好きなことのために最大限の努力をしてる子だ。健ちゃんと連という2人の天才が身近にいるのに卑屈になったり嫉妬したりせず、純粋に尊敬している。いい加減なところが多い連に腹を立てることもなく、こういう奴だからって感じで接してるのも心地いい。彼は彼で努力の天才だと思うんだけど、スポーツは努力だけ人に負けなくてもどうしようもないからなぁ。
 それに比べて天才の連は真面目に取り組まない。才能が平等じゃないことを痛いほどわかってる新二は、そんな連に添いつつも悔しさを覚えて叱りながら泣く。真っ直ぐないい子なんだなー。
 でも、新二も充分早いみたいだ。天才双璧の間にいるから褒められても受け止められないでいるけど、きっとこれからどんどん速くなっていくんだろう。新二と連が走る種目はリレーだ。2人でどんな世界を作っていくんだろうかと、続きが楽しみ。
 恋の話はまだっぽいけど、2巻以降明らかに色濃くなっていきそうな気配がビシバシ伝わってくる。新二と若菜ちゃんと仙波とか、クレールと連とか、どうなるのかなって思うし。
 ちょっとマイナスポイントなのは、競技シーンの筆致が淡すぎるところ。最初はわざと、さらっと書くだけに留めてるのかと思った。最初というと体育のシーンだけど、その後の大会のシーンも、合宿で体を動かしてるシーンでさえも、どこか覚束ない。
 この著者自身はスポーツと親密な間柄じゃないんだろうか。それともクライマックスでどかんと来るんだろうか。そこのとこに小さな不安を抱きつつ、今から2巻いきます。
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