元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『カシオペアの丘で 下』  重松 清
2008-10-14 Tue 17:51
カシオペアの丘で(下)カシオペアの丘で(下)
重松 清

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 シュンはトシとも再会を果たし、4人は無事に顔を合わせることができた。その翌日、風邪をひいた哲生を連れて行った病院で、シュンが倒れてしまう。癌は確実にシュンの体を蝕み、東京に戻ることもできない状態になっていた。そうなったことでシュンは、祖父への憎悪やミッチョとトシへの罪悪感と向かい合い始めた。

 癌ってこんなに恐ろしい病気なんだと初めて知った。若くて体力がある人ほど癌細胞はどんどん転移する、逆に年とっている人の癌細胞の方が増えにくい、というのは知識として知っていた。でもこんなふうに、昨日まで大丈夫だったことが今日は駄目になっていく病気だとは・・・。
 残された時間を病院にいるのではなく家族と過ごしたい、だけど東京には帰りたい、というシュンの気持ち、いい大人が馬鹿みたいだと思う。入院して癌の症状を和らげないと移動は無理だけど、入院は嫌だなんて、そりゃトシがイラつくのも当然だ。でもシュンが家族を想ったり過去を思い出したりしている所を読むと、泣けてきちゃうんだなぁ。もし自分の配偶者が・・・って考えないわけにはいかない。
 過去に炭鉱で起きた事件のこと、身体障害者となったトシ、流れた赤ちゃんで終わった恋、不幸な殺人事件、交通事故のトラウマ、そして病気のこと。それから、「許す」ということ。下巻は上巻以上にめいっぱい詰め込んである。上巻では詰め込んであった内容が調和していたのに、下巻はやっぱ爪l込み過ぎ感が出てきたように思う。ただの詰め込み過ぎじゃなくて、不幸を詰め込んである。読者としては受け止めたいんだけど、下巻を読んだことで病気以外のことがボヤけてしまって残念だ。
 正直、ミッチョとシュンの恋の破綻やミウさんのトラウマの話は引っ張る必要なかったんじゃないか?下巻で出されても、「ま、そんな事だろうと思ったよ」という程度。ミウさんの話なんて、「今知りたいのはシュンの残り少ない人生なんですけど?」みたいな。
 すごく美しい話なのに、そういうとこが残念。『その日の前に』の方が断然いいと思う。
 それでもやっぱり、大人になってからも友達っていうのはいいな。皆が何かを抱えている中、ユウちゃんのいい奴っぷりが読んでてもすごく癒しになった。哲生くんもいい子で、この子が北都に行って父親の幼馴染たちに会えたのは本当に良かったと思う。最後に少しだけ書かれていたシュンの葬式のシーンが、一番涙が止まらなかった。
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