元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『心霊探偵八雲5 つながる想い』  神永 学
2008-09-08 Mon 19:43
心霊探偵 八雲〈5〉つながる想い心霊探偵 八雲〈5〉つながる想い
神永 学

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 現場から外されているに等しい後藤・石井の刑事コンビは、不審者情報が寄せられた廃ビルに向かわされた。そこにいたのは15年前に起きた惨殺事件の容疑者・武田俊介がだった。運動不足が祟った後藤は、武田容疑者を逃がしてしまう。
 15年前に一家4人が惨殺されて10歳の孫娘が誘拐されるという事件。容疑者の武田俊介は全国指名手配されるも捕まらず、時効まであと1週間という時に起こった容疑者の取り逃がし。緊急で捜査網を敷かれたが、後藤達は担当から外されてしまった。
 その事件の現場となった七瀬家を雑誌の取材で訪れた土方真琴は、その不気味な家の中で倒れていた女性リポーター・由紀を発見した。ロケで使用していたハンディカメラには、血まみれの女性の顔が映し出されていた。真琴は後藤達に協力を依頼することにする。しかし映像を見た八雲は、黙って消息を絶った。自分達だけで現場検証をしていた後藤も失踪する。

 今回は一気に八雲の過去が暴露された感じがするなぁ。あとがきによると周囲の反対があったらしいけど、このシリーズを成長物語にしたいからいつまでも八雲の過去を闇のままにしときたくなかったそうだ。ネタが全てどっかで見たような展開だし、視点がコロコロ変わるわりには書き分けが下手だったりするけど、ラノベと違う点はそこだと私は思ってる。だから、今後ともその姿勢を貫いてもらえると嬉しいな。だからこそ、外伝を入れて8巻まで出てるんだし。私はあと3冊読んでようやく追いつけるのか。
 15年前の事件と八雲・後藤の失踪だけど、斉藤一心によってハンディカメラに写っていた幽霊は八雲の母親・斉藤梓だとわかった。これは八雲が失踪した時点で予想できたけど、そこから次々に衝撃な事実が明かされていく。斉藤梓は何者かに拉致監禁され、逃げ出して長野県の戸隠の林道を彷徨っている所を保護される。なんと、梓を発見したのは晴香ちゃんの母親だった。これが、書くのが上手い人だったら“八雲と春香ちゃんは会うべくして会ったのね”(なぜか八雲だけ呼び捨て)と思う所だけど、どうにも筆が稚拙なんで“オイオイ、偶然にも程があるじゃないか”となっちゃったんだが。まあ今後につなげてくれることに期待する。
 そして七瀬家一家殺害事件の容疑者・武田俊介は、梓の婚約者だった。幸せになろうとしていた矢先に八雲の父親によって七瀬家の事件が誘導されたといういつものパターンが発動し、その後梓は八雲を殺そうとしたようだ。八雲が梓から殺されそうになったシーンが後藤が何度も回想してたけど、実際にはちゃんと梓から愛されて育っていたこともわかった。これは何か嬉しい。思い返してみたら、ある程度の年齢まできちんと育てられてるんだったよね。八雲はこの後ちゃんと晴香ちゃんから聞かされたんだろうか。
 で、八雲の父親、どんな人なんだろうなぁ。いつもチラリズムだけど、結構気になってる。八雲は片目が赤いだけだけど、父親は両目が赤いとか。じゃあ八雲より強い力を持ってるとか?秘石眼みたいだな・・・。
 とまあ色々思うことはあるけど、私はこれまでのシリーズの中で一番面白かったと思う。15年前の捜査でおかしな点がいくつも出てきて、また警察の汚職ネタかと思いきや催眠術のトリック。不自然じゃない程度に催眠術を取り込んであったと思う。しかも真犯人が当時10歳の美幸とか。その美雪は武田俊介に誘拐されたと思いきや、八雲の父親によって新しい人生を与えられていたとか。さらに前巻で八雲の姉だと言ってた人だったりとか。実の姉じゃないのはちょっとつまんないな。今後姉弟で、血みどろの決戦が起こるのかと思ってたのに。
 そしてラストの、後藤の警察やめる発言。辞めてどうするのかはまだわからないけど、警察に向いてるようで向いてない人なんで良かったのかもしれない。石井はどうするのかな。宮川さんも心配するだろうな。
 登場人物の名前を調べるのに、うっかりウィキで調べたのは良くなかった。今後、一心さんが死ぬらしい。うわぁ・・・。結構好きなのに・・・。ここは心の準備ができたと、いい方向に考えよう。死んじゃうのかー。寂しいなぁ。
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