元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『西の魔女が死んだ』  梨木 香歩
2008-06-09 Mon 15:27
西の魔女が死んだ西の魔女が死んだ
梨木 香歩

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 母親の迎えで学校を早退したまいは、「魔女が―倒れた。もうだめみたい」と聞かされた。日本で暮らす英国人の祖母のことを、母親とまいは「西の魔女」と呼んでいた。祖母の危篤を聞かされ、まいは2年前に祖母の家で2人で暮らした日々のことを思い出す。
 中学校に入ってすぐに不登校になったまいは、両親と離れてしばらく祖母の家で暮らすことになった。そこでまいは、自分が魔女の血を引いていることを告げられた。自分も魔女になりたいと思ったまいは、祖母から基礎トレーニングとして早寝早起き、食事をしっかり取り、よく運動し、規則正しい生活をすることを教えられた。
 単身赴任していた父親の元に母親とまいも引っ越すことに決めて祖母の家を離れる直前、まいが嫌いな向いの家のゲンジさんを祖母が庇ったことから仲違いしてしまう。一応の仲直りのような物はあったものの、祖母の家を発つ際に以前のように「おばあちゃん大好き」と言えなかったことがまいの中でしこりになる。しかし祖母は、死んで魂が身体から離れたらまいに見せるという約束を守ってくれた。


 タイトルから普通にファンタジーだと思ってたら、全然違っていた。それどころか非常に穏やかな話。映画化がちょっと話題になってるんで読んでみたんだけど、不登校の少女が自然と共に暮らす祖母の元で生きる力を取り戻すという文学界ではどこにでも落ちてる話だった気が・・・。ただ、祖母の英国式ライフスタイルがお洒落であり、舞台は日本なのに田舎生活というよりカントリーライフといった素敵さを匂わせている。昨今ちょっと流行ったターシャ・テューダ?と思わなくもないけど。うーん、どうも“きれいな話”で終わってしまって、私はこの話に取り立てて感動を見出せなかった。『ターシャの庭』をパラ見して全く何も感じなかった私には感動しろというのが無茶な話だ。自分は本当に波乱が起こらないと面白いと感じることすらできないんだなぁと再確認。
 厚さといい、深くも淡白なストーリーといい、子供向けというか祖母の家で暮らすまいと同年代向けかと思う。しかも女の子向け。私はちょっと物足りないと思った。例えばまいの母親がまいを「扱いにくい子」と言ったけど、ストーリーを通して読んでもまいの性格は全然そんなことなかった。母親なら安易にそんなこと言うなよ~、そして作者はちゃんとキャラ設定してよ~と思う。ゲンジさんも一方的に悪者にされて、最後はショボい感じで銀龍草を差し出すだけっつーのも何か良かったような可哀そうなような。ていうか銀龍草って地面に生えてる所が美しいんであって、一輪ざしに生けるっていうのはどうもなぁ。祖父が銀龍草好きだったからっていう理由はあるだろうけど、この祖母やゲンジさんなら上手に鉢植えにできただろうに。
 ただ、祖母の言葉は当たり前すぎて手を抜いている日常の原点を気付かされる。規則正しい生活は体調を整えると共に精神を安定させる。たまに自分を惑わせる声が聞こえたら、即座に無視。直観は大切だけど、直観に取りつかれると妄想となって激しい思い込みや妄想になるということ等々。私はもうすぐ30歳になりそうな年齢なのに、出来てない自分が恥ずかしい。
 最後に。魔女はいい祖母だったけど、こんな祖母が欲しいかどうか。私の母方の祖母は母が幼少の頃に亡くなってるため、私には父方の祖母しかいない。しかもその祖母は私が物心ついた時には既に高齢で、彼女から学んだことは少ない。でも私にとっての祖母は実の祖母以外考えられないから、こんな立派な祖母はいらないなぁ。家族愛の本を読んで「こんなお母さんが欲しかったなぁ」ってとか思うことはあるけど、祖父母に関しては譲れない気持ちになるのは何でだろうな。
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