元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『星を継ぐもの』  ジェイムズ・P・ホーガン
2008-04-01 Tue 00:25
星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン

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 月面で真紅の宇宙服を着た死体が発見された。身元不明の死体は仮にチャーリーと名付けられる。綿密な調査の結果、チャーリーは死後五万年以上経ているにも関わらずあらゆる点で地球の人間と同じ特徴を持っていた。この謎を解明すべく、原子物理学者のハントはUNSA(国連宇宙軍)から招待を受ける。同時に生物学者や言語学者など、様々な分野の学者が呼ばれて調査に当たることになった。
 しばらくして、木星の衛星ガニメデで宇宙船の残骸が発見される。年代測定の結果、その宇宙船は二千五百万年前のものと判明した。しかもその宇宙船の中からは、地球上の生物とは全く異なった生物が発見される。また、古代地球で生息していた様々な動植物も積載されていた。
 一方、言語学者のグループでは月で発見されたチャーリーが携帯していた手帳の解読が進む。手帳はチャーリーが記した日記であり、その内容に研究チームは騒然となる。

 本格SFを読むのは、多分人生で2回目。『タイタンの妖女』以来2年ちょっとぶりだ。SFってジャンルはそもそもあまり人気ないジャンルだと思う。人気の本や作家を適当に読んでるだけの私は、避けるつもりはなくても自然と手に取ることはなかった。創作物語があまり好きではない配偶者が珍しく読みたいと言った本だから、ついでに私も目を通しとくかって感じで読んだだけだ。
 最初はかなり小難しかった。スラスラ読むことができず、ゆっくりゆっくり理解しながら読まないといけない。横になって読んでたんだけど、本が落ちた状態で目が覚めるということも何度かあった。これが半分くらい読んだところで、急に面白くなってきた。
 結論から言うと、かなり面白かった。「謎が謎を呼ぶ」という言い方がこんなにしっくりくる本も珍しい。新しい発見はどれもセンセーショナルかつ謎に満ちていて、ひとつの謎が解決したら新しい疑問がいくつも持ち上がる。
 諸説が挙げられた挙句、生物学者のダンチェッカーが挙げた説に一応の説得力が見られたものの、最後の最後にハントがこれ以上にない結論を導き出した。人類進化のミッシングリングは地球古代史の謎のひとつだけど、作中でのハントの説はそれも矛盾なく解説されていて、「おぉぉぉぉ!!!」となった。
 しかしそれだけじゃ終わらないのがこの本がすごいとこ。ダンチェッカーがハントの説の続きを考察したんだけど、それがまた「うおぉぉぉ!!!」という納得ぶり。読み終わってから、物語と現実の区別が付かなくなってしまってて危なかった。「そうか、私達の祖先は・・・」とか考えかけて、「いやいや、この本はドキュメンタリーじゃなくてフィクションなんだった」みたいな。
 それにしても、この本が書かれたのは30年前なのに全然古臭くない。多少時代を感じさせるアイテムがあったりもするけど、微々たるものだ。物語は一貫して、新しさすら感じさせられる。これだけの物語が今日まで映像化されていないというのが非常に残念だ。
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