元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『晩夏に捧ぐ―成風堂書店事件簿メモ・出張編』  大崎 梢  
2008-03-06 Thu 22:16
晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)
大崎 梢

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 『配達あかずきん』に次ぐ、成風堂書店のしっかり者店員・杏子と勘のいいアルバイト・多絵とのコンビが本が絡む事件を解く「成風堂書店」シリーズ第2段。
 舞台は信州の老舗書店「まるう堂」。杏子の元同僚・美保が働くまるう堂では幽霊騒動が起こっており、彼女からの手紙で杏子と多絵は信州まで呼び出された。そこで2人が聞かされたのは、27年前に起こった作家殺しの事件。また、幽霊事件と前後して事件関係者の家でボヤ騒ぎや空き巣被害を受けていた。杏子と多絵は、美保の段取りで当時の関係者達の話を聞いていく。
 前回の「本屋の謎は本屋が解かなきゃ!」っていうのは楽しかったんだけど、今回はてメッタ刺し殺人事件に何も話さないまま獄中で病死した犯人と、何か著者の力量を超えた設定のような気がしてならない。
 27年前の殺人事件の犯人として逮捕された小松の人物像が色濃く描かれて大きな存在感を漂わせていたのに、反比例して主人公達のキャラがいまいちだった。多絵ちゃんは探偵としてメイン踏んでるからいいんだけど、杏子は「どうせ無理だよ」オーラを放ちすぎて文句ばっかだし、美保の強引さもちょっと鼻に突く。私個人の時間がなくて2度読みができなかったせいもあり、多絵ちゃんと小松以外が朧けにしか思い出せないんだが。
 長編だったことで中だるみもできちゃったりして、前作の面白さからの期待が失墜した。真相をつかんだっぽい多絵がなかなか話さないのも、引っ張りすぎてる。言えない明確な理由を述べよ!と思いつつ読み進めて、やっと始まったお約束の「関係者全員集合」。そこでの犯人を追いこむ証拠もうさんくさかったけど、真相解明も「犯人はあたなですね」「そーなんですよ、ペラペラペラ」という安っぽさ。最後に知ることができた小松の過去も、引っ張ったわりにはインパクトに欠ける。
 『配達あかずきん』を読んでなかったら、大して面白くない本で終わらせてただろう。『配達あかずきん』でこの作者の得意分野が明確になってる分、残念な気がしてならない。「書店ミステリー」という枠を、悪い意味で超えてるんじゃないかな。
 でも、あちこちにちらほら出てくる本屋への熱い視線と想いは健在だった。やっぱ書店店員って司書とは違ってるもんなんだね。スーパーと食堂程度には違うと思う。って、例えが微妙な気がしなくもない。書店は買い手との兼ね合いで仕入れやらディスプレイやら考えるけど、図書館は情報提供を目的としている。だから利用数に応じてあらゆる分野を網羅しつつ、企画展示と新刊本以外はほぼ平等に並べる。違って当たり前か。
 誰か「図書館ミステリー」書いてくれないかな。図書館司書経験者による、リアルで等身大な司書の話とか。ミステリーじゃなくてもいいからさ。私に作話能力があれば、私が書くのに!読んだ本について色々批判するくせに、作家としての能力は無に等しいからなぁ・・・。いつか、杏子並みに完成度が高い司書キャラを作れる作家が現れるのを願ってます。
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