元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『龍天ノ門―居眠り磐音江戸双紙5』  佐伯 泰英
2008-02-13 Wed 22:51
龍天ノ門―居眠り磐音江戸双紙 (双葉文庫)龍天ノ門―居眠り磐音江戸双紙 (双葉文庫)
佐伯 泰英

双葉社 2003-05
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 前作『雪華ノ里』では、身を売った許嫁の奈緒を追って西日本をほぼ一周してきた磐音。奈緒はあちこちに転売される度に値が上がり、最終的には千両で江戸の吉原に売られることになっていた。
 今回は磐音が江戸に戻って正月を迎えたところから始まる。磐音には千両の金を用意することはできない。かといって真っ当でない方法で金を用意して奈緒を身請けしても、奈緒は決して喜ばないことを知っている。磐音は奈緒を見守るという苦渋の決断をし、その代り「生涯、妻を娶らないこと」で奈緒と添い遂げるという決意をした。しかし奈緒はまだ波乱に巻き込まれそうになる。最後に奈緒を売った京の妓楼は江戸の吉原だけでなく尾張の宮宿にも奈緒を見せており、奈緒を買うつもりでいた尾張の怒りを買っていた。そんな中、奈緒を改め白鶴の花魁道中が始まる。磐音は奈緒を守るために、陰ながら剣を振るった。
 また、正月早々江戸では漆工芸商が押し込み強盗に皆殺しにされていた。被害を受けた漆工芸商が今津屋と知り合いだったため磐音と由蔵が現場に駆け付けると、南町の切れ者、年番与力の笹塚孫一がいた。
 一方、豊後関前藩。分家の福坂利高が江戸家老に着任した。世間知らずではあるが、話せばわかる人物のようだ。また磐音は父親から、参勤交代の費用二千五百両を今津屋に借りる口利きをしてほしいと頼まれる。無茶な借金の申し入れだったが、磐音が間に入ったことや豊後関前藩は全てを曝け出したこと、何にも代え難い担保で借りることが可能になった。
 それから竹村武左衛門が持ってきた仕事。仕事が重なった武左衛門は、一晩三百文という安さのおとくのばば様の用心棒を磐音に押し付けた。武左衛門は狙われていると言うのは妄想だと思っていたが、どうやら本当らしい。孫一に頼んで調べてもらうと、おとくは数年前に江戸を荒らした霜夜の鯛蔵の娘であり、鯛蔵は手下に裏切られて獄門になったことが判明した。
 おとくの件を解決させると、割の悪い仕事を磐音に押し付けた武左衛門が行方不明になっている。知らせに来た品川柳次郎と共に雇い先の不知火現伯という医師の家に行くと、武左衛門は現伯と共に匂引にあっていた。町方に知らせると現伯の命がないと考え、磐音は孫一に相談した。
 その件も無事解決し、磐音は久し振りに佐々木玲圓道場に行く。そこへ道場破りが現れたため、磐音が退ける。家に戻ると、中居半蔵が来ていた。江戸家老となった利高が吉原に行き、自分の藩から出た白鶴に会おうとしていた。利高から同情の眼差しでも向けられたら白鶴こと奈緒は自害するだろうと、2人は利高を止める作戦を立てる。

 ・・・ああ、盛りだくさん。今回はどのエピソードも面白かったから極力書いてみたけど、こんだけの量になってしまった。この著者の上手いところは、エピソードが単体で起こらないこと。ごちゃごちゃするからエピソードごとにまとめて書いたけど、この本の中ではあっちの事件が起こってる最中にこっちでトラブルが・・・となる。磐音が次々に事件を抱え込む様子が読み取れて楽しい。
 『雪華ノ里』で散々引っ張った奈緒の件は、悲しい結末を迎えていた。まあ同じ江戸にいるんだから、何かの運命の巡りあわせで会える日も来るかもしれない。今津屋が手を貸す意思を伝えても、磐音なりの理由でやんわりと断るのが真っ直ぐすぎる。
 ところで、磐音ってどんだけ負け知らずなんだろうか。1巻で幼馴染と斬り合っての怪我と今津屋の用心棒業で負った怪我があったけど、2巻以降は全勝してるのでは?最初は強いけどまだ発展途上ってくらいだったのが、今や無敵だ。修羅場を潜って強くなっていったみたいな、少年マンガのような設定なんだろうか。
 幸吉とおたねを浅草に連れて行く所は和やかで好きだったんだけど、2人を送って行く途中で撃退した道場破りに勝負を申し込まれた。磐音は穏やかな人なのに、本当にどこまでも血生臭い。そういうマンガも小説も嫌いじゃなけど、時代小説で剣術となるといまいち戦闘シーンを思い描けないんだよなぁ。おじいちゃんっ子だったから時代劇は良く見てたけど、あの戦い方は作られた緊張感や迫力ない剣技でしかないし。
 ひとまず豊後関前藩は着々と建て直しに向けて進んでるようだけど、次はどうなるのかな。金兵衛長屋に新しく引っ越してきたお兼が何かやらかすんだろうか。どうなんだろうか。冬のシーンが続いてるから、そろそろ春になってもいいと思うんだけど。
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