元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『GOTH―リストカット事件』  乙一
2003-09-11 Thu 23:55
GOTH―リストカット事件GOTH―リストカット事件
乙一

角川書店 2002-07
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 普段は明るい男子高生を演じているものの、実は感情がほとんどない「ぼく」。彼は人の死に大きな興味を持っていて、様々な狂気を傍から観察する話。同じように感情がなく趣味も同じクラスメイト・森野夜と共に行動するシーンも多いけど、彼女はどちらかというと快楽殺人犯から魅入られる側だ。友人と言って差し支えないような関係の彼女でさえ、「ぼく」にとっては観察対象になっている。
 なにこれものすごく面白い。どの話も最後に私を騙してくれた。つーか、私が騙され過ぎなのか。でもこの作者に騙されるのって、何か気持ちいい。さり気なく書かれてたあれもこれも全部伏線だったなんて!と、うっとりする。
 話は結構グロい。猟奇殺人ばっか出てくるんだけど、その狂気が当たり前の事かのように淡々と描かれているのが凄い。怖いんだけど読み進めたくなってしまう物があって、気付いたらのめり込んでいた。そして最後に明かされる、作者の騙しテクニック。全部知ってから読むと、とても面白い構成をしてる小説だ。
 一人称で語られてるから、主人公の「ぼく」が感情を演じつつも内面には全く動きがないことが読者には丸わかりになっている。だから興味を持つ「死」や「殺人」にもワクワクとかゾクゾクとか楽しいとかいう感情が起こるわけじゃなく、ただ無表情に魅入られている。とても冷静な文章なのに淡々としてる感じじゃなくて、この作者が書く文章はなぜかとても美しい。死体の表現も、猟奇殺人なのに煽る事なく淡々としている。
 『ZOO』に興味を持ったから読んでみたけど、この作家さん好きかもしれない。他の作品も読む。決めた。絶対読む。
別窓 | [あ行の作家]乙一 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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