元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『風が強く吹いている』  三浦 しをん
2007-11-29 Thu 22:12
風が強く吹いている風が強く吹いている
三浦 しをん

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 寛政大学4年生の清瀬灰二は銭湯の帰り道で、美しく疾走する万引き犯の蔵原走(カケル)と出会った。すぐさま追いかけた灰二は彼を、自分が住む竹青荘に誘う。竹青荘は、リーダー格の灰二、双子のジョータとジョージ、ヘビースモーカーのニコチャン、在学中に司法試験に合格したユキ、国費留学生のムサ、クイズ番組大好きのキング、どんな時も紳士的な神童、美系マンガオタクの王子、それに走の10人になったところで、灰二は全員に「みんなで箱根駅伝を目指す」と言い出す。最初は唖然とした一同だが次第に走る事に興味を覚え始め、10人は灰二の指導の元で共に箱根を目指しすことになった。性格、身体能力共に考慮した灰二のコーチぶりに何となく走らされてしまうメンバー。高校時代の出来事で競技としての“走る”ことにわだかまりを持っていた走の気持も段々とほぐされて、走る喜びを思い出していく。
 序盤で灰二が全員を説き伏せるシーンがちょっと不自然だと思ってたけど、すぐにどうでもよくなった。しかも4月から箱根駅伝を目指して出場するとかあり得ないんだけど、それもどうでもよくなった。全員のキャラ設定とか腐女子臭がしたけど、それもどうでもいい。ご都合主義とかも。そういうの全部を遥かに凌駕した面白さっていうか、魅力があった。
 この話のほとんどは走の目線で語られてる。でも最後の箱根駅伝のシーンは各区間、それぞれの走者の目線で語ってあった。10人分の思いの中にそれぞれドラマがあって、半端なく引き込まれていく感覚が心地良い。いい具合の爽快感と高揚感でクライマックスを読み終え、その後のクールダウンの程良さがまたいい。
 真剣に読んでても時折ふっと笑ってしまうシーンとかあって、終始楽しく読めた。来年の箱根駅伝は視聴率がちょっと上がる気がする。
別窓 | [ま行の作家]三浦 しをん | コメント:0 | トラックバック:0 |
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