元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『信長の棺』  加藤 廣
2007-11-10 Sat 08:21
信長の棺信長の棺
加藤 廣

日本経済新聞社 2005-05-25
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 織田信長の祐筆だった太田牛一の目線で、本能寺の変の黒幕は誰なのか、信長の死体はどこに行ったのかという日本史最大の謎に迫る歴史小説。戦国時代を描く小説は初めて読んだけど、やっぱカタイなぁ。漢字が多い。読めないことはないんだけど普段は使わない字面がごろごろで、慣れてないから読むのが遅い。でも太田牛一は庶民っぽい人だったから、構えていたほどの読みづらさはなかった。いや、信長の祐筆が庶民なわけないんだけど、そういう書かれ方をされていた。

 信長を一番近いところで見てきて敬愛して、止まない太田。信長の生涯を後世に残したいと思い、『信長公記』の執筆を決意する。その執筆活動に多くのページが割かれてちょっと退屈だったけど、彼の記憶の中にちらほら出てくる信長はやっぱでっかい。
 しかし忍びの女性との恋の部分はキモイな。70過ぎの老人が若い女性に惚れられてガツガツと・・・。中高年男性の願望としか思えない。しかも最後に女性は身ごもるとか、何だその生涯現役っぷりは。そのことを90歳過ぎた彼女の祖父に報告して言われた言葉が「でかした!」とか、オイオイオイオイ。でも、こういうとこも中高年にウケた一因なんだろうな。小泉元首相が愛読し、色んな人に勧めたってのは有名な話。確かに面白いんだけど、この老人エロスの部分は女が読んで面白いもんではない。 
 そこを超えて出会った人物が本能寺の変の真相を知る人。突然出てきて真相をペラペラ話すというサスペンスドラマのような種明かし法は残念だけど、この小説での黒幕には驚いた。でも同時に、あれだけ偉大な人を陥れるんならやっぱこの人しかいないと思わされてしまった。この著者の思う壺。
 しかしこれはあくまでフィクション。信長の死体、一体どこに行ったんだろうなぁと改めて思う。私がもう少し戦国時代に詳しかったら、この本を何倍も楽しめたと思うと残念だ。

 続編として『秀吉の枷』『明智左馬助の恋』が出てるみたいだけど、続き読むのだるいな。機会があって気が向いたら読もう。
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