元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『陽炎ノ辻-居眠り磐音江戸双紙』  佐伯 泰英
2007-11-10 Sat 00:51
陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫)陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫)
佐伯 泰英

双葉社 2002-04
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 坂崎磐音、小林琴平、河出慎之輔の3人は江戸での勤務を終えて、故郷の豊後藩関前に帰る。老中の嫡男である磐音は、琴平、慎之輔と共に江戸で学んだことを活かして藩の財政を立て直そうとしていた。しかし帰るなり耳にした噂話が元で3人は互いに剣を交えることになる。生き残った磐音は藩を出て再び江戸に行った。
 濃い始まり方をするこの話だけど、この本のメインは磐音の江戸での生活。浪人になった磐音は長屋暮らしの貧乏生活をしていたけど、差配さんの紹介で両替商・今津屋の用心棒の職に就いた。そこで幕府の政策を揺るがす陰謀に巻き込まれる。


 うーん、面白い。時代小説ってそれほど好きじゃないんだけど、これは浅すぎず深すぎずちょうどいい加減。冒頭で結構な修羅場に巻き込まれて心に傷を負いつつも、穏やかな磐音の性格がいい。それでいて剣術が強いというのがまたいい。陽だまりで居眠りする猫のようにつかみどろこがなく、どんな豪剣も真綿にくるむように受け流すという独特な剣術。これで用心棒としての信頼を得、人間的にも信頼されて、騒動の中にどんどん放り込まれて行く。
 磐音の周りの人達も多彩で、読んでいて楽しい。差配の金兵衛、その娘で今津屋で女中やってるおこん、鰻取りで家計を助けている少年・幸吉、今津屋の主人・幸左衛門、老分番頭の由蔵、用心棒業で知り合った御家人の品川柳次郎、鰻屋の鉄五郎など。これ読んでたら、江戸っ子ってやっぱ魅力あるなぁと思ってしまう。
 陰謀を打ち破るところなんかは読んでて楽しかったし、事件が一件落着した時の由蔵のシビアさが意外とうけた。何かこの著者の喜怒哀楽を持っていかれた感じ。

 
 2巻以降、どう続くんだろうか。22巻まで出てるのは把握してるけど、この調子でずっと続くとダルいな。佐伯さんを信じて、もうちょっと読んでみよう。
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