元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『一億円もらったら』  赤川 次郎
2007-11-06 Tue 00:14
一億円もらったら (新潮文庫)一億円もらったら (新潮文庫)
赤川 次郎

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 大富豪の宮島とその秘書・田ノ倉は持て余す金を見ず知らずの人に進呈し、相手の人生がどうなるのかを観察していた。彼の観察対象になった人々を描く5編の短編集。


「一億円もらったら」
 サラリーマンの武井は、毎朝挨拶を交わす女性からお金を貸して欲しいと頼まれる。八田というその女性は、父親が会社の金を横領したために社長から愛人関係を要求されているらしい。何もできないまま彼女と別れたが、そんな武井に突然一億円をやるという男が現れた。
 武井は彼女のためにお金を使おうとするが、混乱した彼女は受け取りを拒否する。武井はそのまま家族のためにお金を使うことにし、彼女の方は愛人を決意したものの父親が自殺未遂をする。
 これって一億円はあんまり関係ない話なんじゃないか?それにしても、赤川次郎らしいオチだったな。1話目にしては面白くなかった。


「故郷は遠くにありて」
 田ノ倉の前に、食事代を払ってくれたら自分を好きにしていいという女性が現れた。訳ありに見えたため、田ノ倉は彼女を1億円進呈者に選ぶ。その女性は1億円で、復讐のためにある町の大きな屋敷を買って町の人達をパーティに招待する。
 この復讐の動機、またかって感じ。赤川次郎はこのネタ使いすぎで、いい加減飽きた。復讐も中途半端で私の方がすっきりしない。この女性はよくこの程度で許したなと思う。


「一、二の三、そして死」
 朝の満員電車で痴漢の罪を着せられた北河は、会社からクビになる寸前、妻とは離婚寸前というところで宮島から一億円を受け取った。翌日北河は、昨日の女性が別の人を痴漢呼ばわりしている所に遭遇した。
 これも結局一億円ってそう関係ないように思える。「一億円もらったら」がテーマなのに、一億円なくても成り立つんじゃないかな。読後、何か物足りない。


「仰げば尊し」
 高校3年生の早苗は、学校の登下校時だけ自分のオリジナル制服を着て楽しんでいた。ある時、その制服をとても気に入ったという妙子と出会う。病気で高校に通えない妙子は早苗と仲良くなって体調が良くなった。制服に憧れを抱き、その制服を着て一緒に卒業式に出たいと言うようにまでなる。しかし妙子が憧れている制服は早苗のオリジナル。今さらネタバレもできず、一人で悩む早苗が今回のターゲット。
 これはまあ、高校生の友情の話だから爽やかだった。こうなるだろうなって思う方向に話が流れ、安心して読めた。


「ミスター・真知子の奮闘」
 キャリアウーマンの妻を持つ平凡な会社員の前沢は、内助の功として妻を支えている。その妻がある有名な経営学者の講演会を企画していたが、仲介者によって企画を別の人物に売られてしまう。
 この話で一億円を受け取るのは夫の前沢なんだけど、やられたことにやり返す力がないはずの人が一億円を使っての反撃。この話のお金の使い道が一番面白かった。


 赤川次郎の本を読むのは本当に久し振り。小中時代はこの人ばっか読んでたのにな・・・。
 この小説の「一億円もらったら、人はどう行動するか」というテーマは面白い。でも、どの話も小さくまとまっていまいちだった。もっと波乱多い話かと思ったんだけど、受け取り手がみんな理性的過ぎてつまらん。
 やっぱ赤川次郎は20年くらい前のピーク以来、惰性で作家やってるだけな気がする。それなのに売れてるという、すごい人でもあるんだけど。
 でもこの本読んで、つい「もし私が一億円・・・」と無駄に考えてしまうのが空しい。
別窓 | [あ行の作家]赤川 次郎 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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