元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『土の中の子供』  中村 文則
2005-10-04 Tue 21:40
土の中の子供土の中の子供
中村 文則

新潮社 2005-07-26
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 今年の芥川賞受賞作品。最近の芥川賞って何だか奇をてらったような小説ばっかりだったけど、これはとっても濃厚だった。軽い読み物のつもりで読み始めたのに、久々に純文学読んだかもしれない。
 正直、暗い。このギリギリの感情から起こる衝動に、昭和文学っぽい。そこに文学界の題材としては比較的新しい「虐待」をテーマになってて、古くて新しい純文学だと思う。
 幼い頃に受けた暴力とネグレクトで、「恐怖」が癖になってしまった青年の精神を描いている。結局それを克服できたのかどうかは明確じゃないけど、同棲する女性の入院からうっすらと光が見えたような描写が良かった。
 その女性は、以前別の男との赤ん坊を死産し、それから不感症になったという人。トラウマっていうと薄っぺらくなってしまうけど、まさにその精神模様だった。
 なかなか力強い小説だったと思う。
 一緒に収録されている「蜘蛛の声」も重くて暗い。人と接することを極端に嫌悪するようになった青年が、次第に部屋にいることすら嫌になり、橋の下に身を潜め続ける話。現実と幻覚が入り混じって、そのまま終わってしまった感じ。でもどっちも正しいようなリアル感がすごい。
 それにしても、重くて暗い2作だったなぁ。2度は読みたくない。
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