元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『ネコソギラジカル』<上><中><下>
2006-01-08 Sun 00:31
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 戯言シリーズ最終巻。シリーズ中盤で中だるみがあったけど、最後はめでたしめでたしだった。
 平凡でやる気もない青年(確か19歳)が、色んな殺人事件に巻き込まれて解決していく・・・と書くと陳腐でありきたりになるけど、そこはライトノベル。殺し屋軍団とか変な研究者とかがたくさん出てくる。その人達全員がキャラ重視だから、ちょっとついていけない所はあった。もう年かな。キャラクター小説ってやっぱ難しい。
 全体を通して、作者の表現力不足が目立つ作品だった。そもそも「戯言使い」を名乗ってるくせに戯言を使いこなせてない。適当なことを言った後に「戯言だけどね」と言ってるだけに見える。
 小説の中で頭がいい設定の人を、読者そう感じることができない。強いという設定の人の強さを感じない。ただそういう設定にしているだけで、具体性が少ないからだと思う。圧倒的に勝るという理由で濁してるように見えたんだよね。
 西尾維新の特徴であり、私が苦手だった点をもう一つ。思想が混沌と書かれている部分。多分、色んな文学や哲学書を読んでて知識はある人なんだと思う。しかしこれをだらだらと語られると、ぐったりくる。だって実がないんだもん。言うだけ言って「戯言だけどね」と言われると、小説のスパイスにもならないじゃないか。地の文ならまだいい。会話文でやられると、不自然極まりない。
 そんなこんなで、今をときめくライトノベルを否定的に見てきた。でも幸せな方向で終わっていたんで、ここまで読んだ甲斐があったと思う。
 さてこの本はどこがそんなに魅力なんだろうか。否定的に見ていた私が考えて思い当たるのは、主人公の性格なんじゃないかと思う。やる気がなく受身的、他人が苦手で下手すれば引きこもりになりそう。こんなとこが共感を呼んだんじゃないかな。そんな主人公が周囲のキャラ立ちしてる連中に何だかんだ言われながらも慕われ、いつも事件を解決する。そんな活躍が良かったんでないかと。いや、シリーズを借りて行く人達を見てるとそう思うよ。
 でもなぁ。主人公は自分を何の長所もないみたいに常に言ってるけど、実は頭いいキャラという設定だったんじゃないかな。ついでに戦うシーンでも、自分を守れる程度には体を鍛えてある。実は非凡な人だったと思うんだけど。結局、無理やり納得させるような形でこのシリーズを読み終えた。
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