元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『シークレッツ』  ジャクリーン・ウィルソン
2006-02-13 Mon 19:04
シークレッツシークレッツ
ニック・シャラット 小竹 由美子

偕成社 2005-07-25
売り上げランキング : 464086
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 イギリスの児童文学といえばファンタジーという勝手な偏見を持っていたけど、これは家族と友情の話。2人の女の子が主人公で、環境が全く違う2人が出会い、親友になる。
 2人の日記を交互に読み進める形式になっていて、どちらも頭が良くて、やや稚拙ながらも自分の考えを持っている子たち。決して絶望することなく生き生きと展開していって面白かった。
 トレジャーはダウンタウンに暮らしているクールな女の子。義父の暴力のために母親を置いて家を出ることなり、無償の愛を注いでくれる祖母と一緒に暮らせるようになって喜ぶ。そのダウンタウンの暮らしは、一般的な日本人である私にはあまり理解できないような生活っぷりだった。うーん、愛に対してフリーダムすぎと言うか・・・・。
 もう1人の主人公、インディアは上流階級の子。母親が有名子供服のデザイナーで毎日忙しく、娘を理解しようとしていない。それどころか、太っていて自分がデザインした服が似合わない娘を疎んじている。父親は気分屋で、娘をかわいがったり突然突き放したりする。インディアはあまり社会性がなく、ちょっとイタイ女の子で、アンネ・フランクを尊敬している。
 たまたま出会って仲良くなった2人だけど、突然トレジャーの実母と義父がトレジャーを迎えに来ることになり、インディアは彼女を屋根裏部屋へかくまった。ところがトレジャーは誘拐殺人に巻き込まれたと思われ、大きな騒ぎになる。いくつかの問題をどう解決して、どういう結末になるのかとやや不安だったけど、最終的にはハッピーエンドでほっとした。
 主人公の2人は、共に親の愛情に恵まれていない。年齢より早熟で、何だか今時感が漂っている。オブラートに包むことなく、年相応よりちょっと大人びてるけど無理がないように表現されていて驚いた。
 主人公達と同年代の人に読んで欲しいかは、ちょっと微妙なところだなぁ。不潔な感じはないように表現されつつも、ダウンタウンの生活ってやっぱ乱れてる。10代のシングルマザーが数人出てくるし、トレジャーの祖母は父親が違う子供をたくさん産んでいる。インディアの父親も不倫してるっぽいし。すごい社会だなと思った。
別窓 | [海外の作家]海外 その他の作家 | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<『ライオンと魔女-ナルニア国ものがたり1』  C.S.ルイス | よむよむ記 | 『続弾!問題な日本語-何が気になる?どうして気になる?』  北原 保雄>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック


| よむよむ記 |