元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『王国 その1 アンドロメダ・ハイツ』  よしもと ばなな
2006-02-20 Mon 23:50
王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―王国―その1 アンドロメダ・ハイツ―
よしもと ばなな

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 山で祖母と2人、野草を使ったお茶を売って暮らしていた女性が都会で1人暮らしをすることになる。まずその主人公の名前「雫石(しずくいし)」でかなり引いた。
 彼女が山から下りて働くことになった所は、物に触れたら持ち主のことがわかるという弱視の超能力者。『サイコメトラーエイジ』を思い出さずにはいられない。超能力者のパトロンはホモの恋人。おばあちゃんは偉大な人。他にも「とてもいい人」がわんさか出てきて、よしもとワールド全開だった。
 でもこれは、これまで私が読んだ初期の代表作よりは面白かったかな。話がだらだらせずに展開していったからだと思う。
 よしもとばななは表現を大切にする作家で、ひとつの事柄を色んな言葉を使って丁寧に表現する。私は完結に適切に表現した密度ある文章が好きだから、よしもとばななのように淡い文章は疲れるんだよね。
 それと、よしもとばななのキャラクターに魅力を感じないのは私だけ?「素朴」という魅力はある。ただ、なぜ彼女達に好意を寄せる男性がいるのか。そこらへんを書かずに恋愛を描くから、どうも根拠の薄いロマンスだらけの恋愛に見える。彼女達は常にナチュラル。ナチュラルも20越すとダサいだけだと思うんだけどなぁ。自然体な主人公に惹かれる男性という状況に、読者は食いつくんだろうか?そういえば、よしもとばななが好きな知人が「悪い人が出てこないのがいい」と言っていた。『GOTH』読んで喜んでるような私には、美しすぎて理解できない世界なのかもしれない。
 女性から大きな支持を得ているよしもとばななだけど、改めて読んでもやっぱ私は嫌いだな。何を言ってるかわからない。以前読んだ雑誌で、同じくよしもとばななが苦手な人が「女性のとりとめない話をだらだらと聞いた感じの読後感」と表現してたけど、的を射てるなぁと思った。色々あって久々に読んだけど、印象は相変わらず。
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