元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『ニンギョウがニンギョウ』  西尾 維新
2006-04-24 Mon 23:08
ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)
西尾 維新

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 嫌よ嫌よも好きのうちとか言うけど、私は本当はこの作者が好きなのかなぁ。最初読んだ時は、動機のない惨殺事件満載っぷりに嫌悪したんだけど。でもなんでかマニア受けがすごいこの作者。その人気を理解しようと、またまた読んでみた。
 今回はまた新たな手法を持ち出したな、西尾維新。やっと「戯言シリーズ」のわけわからなさに慣れたのに、ここに来てまた目が点になった。これはこの作者を初めて読む人は怒るだろうな・・・。ちょっと斬新すぎるよ。
 ストーリはないに等しい。誰かの夢日記を読んでるような感じかな。不思議な思考、不条理な情景。ルイス・キャロルみたいな?いや、キャロルの方向に行くと見せかけといて彼を突き飛ばして行ったような。ここまで狂気めいた世界を書いてても、作者は別に気は狂ってないらしい。
 真面目に読もうとしたらブチ切れると思う。誰かの夢を聞いてるつもりで読むと・・・胸張って面白いと言える本ではないけど、こういう本もあるんだという勉強には・・・って、ほんと表現に困る本だな。
 例えば、主人公「私」には妹が23人いる。17番目の妹が死んだから、映画を見に行こうと決意する。17番目の妹が死ぬのは4回目。映画館に行く途中に森のくまさんが電話を貸してくれる。映画は天井から逆さ吊りで見るタイプ。興奮しすぎると頭が破裂してしまうらしい。
 例えば、足が腐り始めたから、語頭と語尾に「お兄様」を付ける5番目の妹と人体交換屋に行く。そこに行くには牧場に行かないといけない。牧場には紙製の羊がいるが、お湯の雨が降ったために羊が溶ける。羊の毛を刈らないと人体交換屋に行けないから、羊達から雨の被害を受けてない部分を切り取って1頭の羊に作り上げた。そのため妹は血まみれになる。人体交換屋で、足は腐ってるのではなくて妊娠していた。足から生まれた赤子は森のくまさんが育てることになった。家に帰ると、17番目の妹が帰還したという情報をもらった。
 こんなのがあと2話ある。最初はあまりの奇抜さに度肝を抜かれたけど、読んでると色んな意味で予想がつかない展開。読み進めるのが楽しくなっていった。でもやっぱ斬新すぎるなぁ・・・。
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別窓 | [な行の作家]西尾 維新 | コメント:2 | トラックバック:0 |
『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』  リリー・フランキー
2006-04-24 Mon 21:16
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー

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 この本を手に取って、まずひいた。何この帯!?何人もの人からの感想が細かい字がびっしり書いてある。こういう帯は非常に不愉快。こんなふうに「感動しました」談を前面に出されると、げんなりする。読む前から、既に読んだ人の善意っぽい大きなお世話を押し付けられてる感じ。そんな感じで第一印象は悪い中、読み始めた。
 父親は別居しているため、母親との母子家庭から始まり、高校・大学・その後の数年を親元を離れて暮らし、再び母親と共に東京で暮らしたリリー・フランキーの半生を書いた私小説。
 前半は子供時代がだらだらだらだら・・・。自伝だからだろうし、ひとつひとつのエピソードはまあ楽しい。でもずっとこの調子だったから、そりゃもうダルいったら。それでもあんまりイラつかずに読めたのは、表現がとても面白かったから。この人、センスがいいっていうか、言葉のチョイスが上手い。それが全体にまんべんなく散りばめられていて楽しい。特にこのサブタイトル「オカンとボクと、時々、オトン」なんかこれ以上にないくらいこの物語を要約してあっていい。
 福岡出身で、話し言葉は福岡弁。長崎とは多少違うとはいえ、まあ同じ言語圏。福岡の方に知り合いも多いし、非常に読みやすかった。方言を活字にすると違和感があることが多いけど、違和感ないように上手に発言シーンを選んでる感じで、そういうところは本当に上手いと思った。
 「ボク」が上京し、数年後には「オカン」も上京。人に好かれる親子で、読んでて楽しいと思えるようになった矢先に「オカン」の病気と闘病生活。フィクションではありがちでチープなこの手のネタだけど、ノンフィクションだからこそ絶大な支持を受けているんだろう。
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『生協の白石さん』  白石 昌則  東京農工大学の学生の皆さん
2006-04-17 Mon 23:29
生協の白石さん生協の白石さん
白石 昌則

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 東京農工大の生協で導入している「ひとことカード」という投書システムに入ってる変な要望やメッセージと、回答担当の白石さんとのやりとりを書籍化したもの。
 確かに白石さんの答えは上手い。機知に富んでる上に上品だ。きっと学内のひとことカード返信掲示板なんかで見たら楽しいだろうと思う。でも、書籍化されるとねぇ・・・。最初の方は面白かったけど、1/3くらいで飽きた。好感度は高い本だけど、良書ではないな。
 軽くブームというくらいならわかるけど、なぜベストセラーなんだろうな。私は買ってまで読む本じゃないと思ったけど。まあ1時間もあれば読めるし、ストーリーがあるわけじゃないからどこからでも読めるし、手軽でいいのかな。
 余談だけど、私の横で読み始めた後輩、

「リュウとケンはどっちが強いんですか?同じだろ!」

という質問で

(。後ω後)「リュウとケンって誰ですか?」

と私に聞いてきて困った。いかにもゲームとか無縁っぽい子に「スト2」について語れと?ていうかなぜ私に聞いたんだろうか。ちなみに格闘ゲームの下手さは驚異的な私は、その答えまでは知らない。私がプレイヤーになると、どのキャラも最弱になる。
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『沖で待つ』  絲山 秋子
2006-04-13 Thu 21:43
沖で待つ沖で待つ
絲山 秋子

文藝春秋 2006-02-23
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 今年の芥川賞受賞作。表題作以外に「勤労感謝の日」を収録。あまり興味のある作家ではなかったけど、まあ読んでみる。
 まず「勤労感謝の日」。上司を殴って辞職した36歳独身女性がお見合いをし、途中で抜け出して知り合いと飲んで、行きつけの店に行って終わる。何だったんだろうか。山場はどこだったんだろうか。
 「沖で待つ」は芥川賞受賞作という期待と、時々起こる芥川賞のがっかりさによる不安の中で読み始める。結果、がっかりの方だった。
 入社早々に博多に配属されて友情で結ばれた男女の話。生前の約束通り、死んだ太っちゃんのパソコンのHDDを壊した及川は、3ヵ月後に太っちゃんの幽霊に会った。で、回想して話して終わり。話してるシーンでそのまま終わってる。
 中心となってるのが仕事の思い出話ばかりで、途中で飽きたまま話が終わった。あんまり面白くなかったな。
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『その日のまえに』  重松 清
2006-04-13 Thu 00:06
その日のまえにその日のまえに
重松 清

文藝春秋 2005-08-05
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 もっとヘビーな話を書く作家だと思ってたけど、わりとさらっと読めたのは短編だったからかな。

「ひこうき雲」はクラスメイトが難病にかかったことを知った小学生の話。
「朝日のあたる家」は、10年前に夫を亡くした女性教師がかつての教え子に再会する話。
「潮騒」は癌を告知された中年男性が、小学生の頃に行方不明になった友人を回想する話。
「ヒア・カムズ・ザ・サン」は母が癌を問いただせない高校生の話。
「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」の最後の3連作は、妻の癌を告知された夫婦の回顧、死ぬ当日、残された夫と息子達の3ヵ月後の話。

 「病死」をテーマにしたオムニバスだったけど、登場人物たちの受け止め方が重過ぎないのに妙にリアルだった。「その日」で義父が言った「丈夫に生んでやれなくてごめんな」にはやられたよ・・・。
 ほとんどの話が、小説の中の現在進行形では人は死なない。きれい事だけ集めたみたいで、途中まではもやもやしながら読んでいた。これが「その日のあとで」でつながり、きれいな連鎖になる。浅くも深くもないつながりの匙加減が絶妙。すごいな清。
 大作家に対して自分でも何様のつもりと言いたいけど、ちょっと不満だった点がある。「朝日のあたる家」はなくてよかったんじゃないかな。唯一つながりのない話だったから、ちょっと浮いてる。それから、迎え火の話が一番感動したから、最後の花火大会、もうちょい盛り立てて欲しかった。
別窓 | [さ行の作家]重松 清 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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