元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『魂萌え!』  桐野 夏生
2006-01-23 Mon 00:14
魂萌え !魂萌え !
桐野 夏生

毎日新聞社 2005-04-21
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 定年後の夫が突然死。残された奥さんは、夫に愛人がいたことを初めて知った。さらにアメリカから帰ってきた息子が同居や財産分与を迫る。これまで専業主婦で世間知らずだった主人公に、突然様々なことが圧し掛かってきた。
 私が今まで読んだ桐野作品にはない感じで、ちょっと新鮮。これまでは異常性がギラギラ光ってるようなのばっかだったんで、このタイトルでどんなグロい話が展開されるのか楽しみだった。ところが内容は、夫の浮気、遺産問題、同居問題、友人の痴呆疑惑と昼ドラ並みだった。さらには主人公が夫の友人と恋の予感まで。全然、桐野さんらしくない。
 ただ、こんな話でもぐいぐい読めたのはさすがだと思う。次々と自然にイベントが起こって、最後まで飽きることなく面白く読めた。
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『平成マシンガンズ』  三並 夏
2006-01-22 Sun 23:16
平成マシンガンズ平成マシンガンズ
三並 夏

河出書房新社 2005-11-25
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 去年の文藝賞作品。中3で受賞して驚き、受賞の言葉がしっかりしてたんでまた驚いた。あの受賞のニュースだけで読んでみたくなった本だ。
 高1の主人公の家庭は崩壊していて、母親は出て行き、愛人を連れ込む父親からは愛情が感じられない。その影響で学校でも、些細なずれをきっかけに友達からハブられるようになってしまう。そんな孤独な話。
 読点が少ないのと漢字をあまり使っていないことがマシンガントークのような印象を受けて、上手い。小説の方も上手い。なんだか私にはあまり理解できない世界ではあるけど、15歳ってこんななんだろうなぁと思う。これは確かに、15歳しか書けない世界だな。でも、この作者なら今後とも年齢に応じた小説をきちんと書けそうだ。今後が期待できる作家だと思う。
 今後って、10年後でも私より年下だ。存分にある。
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『まんげつのよるに』  木村 裕一  あべ 弘士
2006-01-16 Mon 00:20
まんげつのよるに (シリーズあらしのよるに)まんげつのよるに (シリーズあらしのよるに)
あべ 弘士

講談社 2005-11-02
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 完結したと思ってた「あらしのよるに」シリーズの完結編。狼のガブとやぎのメイが大親友になるが、仲間に理解してもらえない。狼とやぎが仲良くできる地を目指して二匹で逃げる決意をしたものの、裏切り者呼ばわりする仲間から追いつめられた。ガブはメイのために狼の群れに突進して雪崩に巻き込まれ、メイだけが理想の地にたどり着く、という所で話は終わっていた。
 その後『しろいやみのはてで』が出たけど、これは吹雪をしのぐために入った洞窟でガブとメイがこれまでのことを思い出すという内容で、いわば総集編。続編と思って期待して読んでがっかりした代物。ガブが死んだと思わせて終わってたんで、それっきりあまり好きじゃない本にカウントされていた。
 忘れかけてた頃に出たこの完結編。理想の地で暮らしてたメイは、とうとうガブを見つけた。が、ガブは記憶を失っていたという内容。読んで思ったのは、

(。・ω・)蛇足・・・・。

 二匹はちゃんと理想の地で幸せに暮らしていけそうなハッピーエンドだけど。
 今までのテーマが、大きな障害を乗り越える友情だった。すべてを捨てでも唯一無二の存在を選び、吹雪の中で死にかけて、「――たとえ……あしたがこなくても。」と終わっておいて、最終巻はこのノーテンキさかよ、と。
 新しい土地には狼がいなかったから、二匹は偏見の目で見られることなく仲良くできるようになったという具合。結局ガブは他の動物を食べないと生きていけないわけだから、1週間後にはまた村八分だろう。同じ事を繰り返す気だろうか。浅すぎる。もうちょっとどうにかならなかったんだろうか。
 これまでは大人にこそ読んで欲しい絵本って感じで売り出してたけど、やっぱ所詮は子供向けかぁ。
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『三人だけの山村留学』  中山 聖子
2006-01-15 Sun 23:26
三人だけの山村留学 (学研の新・創作)三人だけの山村留学 (学研の新・創作)
中山 聖子

学習研究社 2005-09
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 児童向け。東京に住んでる5年生の圭が山口県の宇部行きの山村留学に無理矢理参加させられた。他に参加してるのはデブい有一と、誰とも口をきかない有里だけ。嫌々行ったものの・・・・。という話の内容だけは知ってる状態で読み始めた。
 昔からよくある感じの児童文学と思ってたけど、これがなかなか良かった。主人公の今時という感じが最初は鼻についたけど、彼自身どんどん成長していく。今時なテーマが盛り込まれてるけど、とっても自然でいい。読んでて面白かった。
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『精霊探偵』  梶尾 真治
2006-01-10 Tue 00:43
精霊探偵精霊探偵
梶尾 真治

新潮社 2005-09-29
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 事故に遭い、妻を失うと同時に他人の背後霊が見えるようになった男が人探しを依頼される。背後霊から情報を集めるうちに、不気味な出来事に巻き込まれていく。
 途中までは面白かったけど、最終的にはハズレ本だった。背後霊の話を聞いたり、小学生が自称助手になったりして、失踪の謎と解決を楽しみに読み進めたけど、中盤から方向性が突然変わった。
 ホラー系だったけど、突然ファンタジーに豹変。古代の化け物が出てきたりとか、それが乗り移る媒体がカードだったりとか。そいつが伝説の生き物の鵺で、世界制覇狙ってたりとか。ホラーとファンタジーは非現実的という点では一致してるけど実態は全く違う。ホラーはいわゆる幽霊や殺人鬼がベース。幽霊の存在は賛否両論というのは置いといて、少なくとも日本では昔から霊を肯定する思想だから割と身近。ファンタジーはまったく起こりえないものが題材。これらが前半と後半で入れ替わるから、なんだこれ?と思った。
 さらに興ざめなのは、鵺は目には見えないけどTVには写るとか、ニンニクが苦手だとか。全く強いんだか弱いんだか。前半が面白かっただけに、がっかり度が高い本だった。
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『痛いひと』  秋野 照葉
2006-01-08 Sun 23:37
痛いひと (カッパノベルス)痛いひと (カッパノベルス)
明野 照葉

光文社 2005-11-19
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 8編から成る短編集。率直に言うと、あんまり面白くなかった。タイトルと紹介文で面白そうだと思ったんだけどなぁ。
 確かに上手いと思う。薄気味悪さが常にあってゾクゾクしながら読み進めるけど、最終的にはオチが心身障害で、「病院行けよ・・・」と思ってしまうんだよなぁ。大半はそんな感じ。
 1編で主人公だった人が他の話で脇役を務める話が何話かあったけど、そういうパターンは割と好き。そこは楽しめた。最後の話なんかは、ホラー系で怖かったし。
 でもやっぱ、微妙だと思ってしまった本でした。
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『ネコソギラジカル』<上><中><下>
2006-01-08 Sun 00:31
ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)
西尾 維新

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ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)
西尾 維新

講談社 2005-06-07
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ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
take

講談社 2005-11-08
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 戯言シリーズ最終巻。シリーズ中盤で中だるみがあったけど、最後はめでたしめでたしだった。
 平凡でやる気もない青年(確か19歳)が、色んな殺人事件に巻き込まれて解決していく・・・と書くと陳腐でありきたりになるけど、そこはライトノベル。殺し屋軍団とか変な研究者とかがたくさん出てくる。その人達全員がキャラ重視だから、ちょっとついていけない所はあった。もう年かな。キャラクター小説ってやっぱ難しい。
 全体を通して、作者の表現力不足が目立つ作品だった。そもそも「戯言使い」を名乗ってるくせに戯言を使いこなせてない。適当なことを言った後に「戯言だけどね」と言ってるだけに見える。
 小説の中で頭がいい設定の人を、読者そう感じることができない。強いという設定の人の強さを感じない。ただそういう設定にしているだけで、具体性が少ないからだと思う。圧倒的に勝るという理由で濁してるように見えたんだよね。
 西尾維新の特徴であり、私が苦手だった点をもう一つ。思想が混沌と書かれている部分。多分、色んな文学や哲学書を読んでて知識はある人なんだと思う。しかしこれをだらだらと語られると、ぐったりくる。だって実がないんだもん。言うだけ言って「戯言だけどね」と言われると、小説のスパイスにもならないじゃないか。地の文ならまだいい。会話文でやられると、不自然極まりない。
 そんなこんなで、今をときめくライトノベルを否定的に見てきた。でも幸せな方向で終わっていたんで、ここまで読んだ甲斐があったと思う。
 さてこの本はどこがそんなに魅力なんだろうか。否定的に見ていた私が考えて思い当たるのは、主人公の性格なんじゃないかと思う。やる気がなく受身的、他人が苦手で下手すれば引きこもりになりそう。こんなとこが共感を呼んだんじゃないかな。そんな主人公が周囲のキャラ立ちしてる連中に何だかんだ言われながらも慕われ、いつも事件を解決する。そんな活躍が良かったんでないかと。いや、シリーズを借りて行く人達を見てるとそう思うよ。
 でもなぁ。主人公は自分を何の長所もないみたいに常に言ってるけど、実は頭いいキャラという設定だったんじゃないかな。ついでに戦うシーンでも、自分を守れる程度には体を鍛えてある。実は非凡な人だったと思うんだけど。結局、無理やり納得させるような形でこのシリーズを読み終えた。
別窓 | [な行の作家]西尾 維新 | コメント:0 | トラックバック:0 |
『負け犬の遠吠え』  酒井 順子
2006-01-07 Sat 00:39
負け犬の遠吠え負け犬の遠吠え
酒井 順子

講談社 2003-10
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 なかなか読むのに勇気がいる本だったけど、流行りモノということで読んでみた。いや、何か数年後の自分のことが書いてありそうで怖かったんだよね。
 どんなに美人で頭が良くて仕事ができても、30代後半・未婚・子ナシは「負け犬」であり、本人たちが何と言おうとも「言い訳」にしかならないと言い切った有名なコレ。酒井さん自身が「負け犬」だから笑って読めるんであって、結婚して子育て中の人が書いたら大ブーイングだったろう。
 やっぱ女性ってこんな目で見られるもんなんだね。納得させられることも多かったし、面白く読めた。
 特例は認めず何でもかんでも一括りにしてる点は、やや品がない話ではあったかな。夫がDVでも結婚してるならとりあえず「勝ち組」だし、体質の事情で子供が産めないから結婚してなくてもとりあえず「負け組」と言う。でもこの潔さは本書の面白さにも繋がってるんだろうか。
 私の周囲には独身女性多いけど、みんな結構肯定的で「面白かった」と言っていた。30歳独身の上司Tさんは「私のことが書いてあるのかと思ったよ」だそうだ。やっぱいいとこ突いてんだな、この本。
別窓 | [さ行の作家]さ行その他の作家 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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