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元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『おぞましい二人』  エドワード・ゴーリー
2005-09-04 Sun 23:18
おぞましい二人おぞましい二人
エドワード・ゴーリー

河出書房新社 2004-12-21
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 なんていうか、なんていうか、なんていうか・・・・。おぞましいっていうか、こういう風に育った人間が悲しい。
 大人向けの絵本なんだけど、リトグラフっぽい独特の線画で、ある男女が出会って殺人を繰り返し、捕まって獄中で死ぬまでを描いてる。とにかく異様な絵本。話の進め方が、淡々どころじゃない。どこにも感情が感じられなくて、何を感じながら読んだらいいのかちょっと戸惑う。終わり方がまたすごい。男は早死にして、女は牢屋の壁を一生舐めつづけて死んだというラスト。その行為に説明も感情もなくて、絵空事のような、それでいて挿絵を凝視してしまうような。これが実話に基づいてるというから、うすら寒い感じが増す。
 何が言いたいのかわからない。でも、何か伝えようとしている気がする。そこが強く気になる理由なのかもしれないなぁ。すごい絵本を読んでしまったという気分。
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