元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告 |
『石の目』  乙一
2004-01-12 Mon 00:10
石ノ目石ノ目
乙一

集英社 2000-07
売り上げランキング : 60300
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 本は図書館で借りてばかりで滅多に買わない私が、時間つぶしのために買った本。最近乙一いいなぁと思ってるんで、乙一の本を買ってみた。で、またまた驚いた。この作家にハズレはないのか?またまた読み出したら止まらない。しかもこれまで読んだ本とはちょっと雰囲気が違う。「石の目」「はじめ」「BLUE」「平面犬」の4編収録。

「石の目」
 主人公が住む地方には、目を見ると石になる化け物が住んでいるという言い伝えがあった。迷信の類いと思い、主人公は友人に誘われるまま山登りに行く。主人公の母親は、主人公が幼い時にその山に入ったまま行方不明になっている。その母親を探す目的を持って山登りに行った主人公は一緒に言った友人と共に遭難するが、言い伝えにある石の目に助けられた。

「はじめ」
 主人公が誤って殺してしまった飼育小屋のひよこを、友人がとっさに「はじめ」という女の子が来て殺したという嘘をつく。ところがその後、嘘のために作った架空の少女「はじめ」が2人の前に姿を現した。

「BLUE」
 ある老女が人の肌のような感触の布で王子・王女・白馬・騎士を作った。そして余った材料で作られたつぎはぎだらけの人形ブルーも作る。彼らは人がいなくなると、意思を持ち動ける人形になった。女の子のいる家に買われていった彼らだけど、ブルーはかわいくないから見向きもされない。仲間の人形達にも嫌われている。ついには乱暴な弟の物にされてしまった。

「平面いぬ。」
 かっこいい刺青を彫ってもらいに行った「私」だけど、間違ってかわいい犬の刺青を彫られてしまった。ある日「私」は、その犬が自分の体の表面を動き回ってることに気付く。

 『ZOO』同様に全て不思議な世界観を持っているけど、『ZOO』のような鋭さはなかった。これまで『ZOO』『GOTH』『夏と花火と私の死体』と読んできたけど、それらは冷静さが不気味であり魅力である作品達だった。この本は不気味さの中に温かみさえあって、乙一はこんな話も書けるのかと驚いた。
 私は元々短編集が苦手だ。一つの話を読み終わった後すぐ次の話に頭を切り替えられないで、どっかで前の話のことを考えながら次の話を読んでしまう。でも乙一の作品って、次の話を読み始めてもすぐにのめり込んでしまう。この人の作品にはそういう魅力があるみたい。内容や文章が、とても好みなのかもしれない
 この本を読んだ後に知ったことだけど、乙一って「切なさの達人」と言われてるそうだ。なるほど。この本を読んだ後に襲ってくる感情は、切なさなのかもしれない。

 ちなみに『平面いぬ。』は、この『石ノ目』の改題。改題って、何の意味があるんだろうなぁ。

平面いぬ。 (集英社文庫)平面いぬ。 (集英社文庫)
乙一

集英社 2003-06
売り上げランキング : 16365
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

スポンサーサイト
別窓 | [あ行の作家]乙一 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| よむよむ記 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。