元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『メディエータ3 サヨナラ、愛しい幽霊』  メグ・キャボット
2009-02-15 Sun 20:17
メディエータ〈3〉サヨナラ、愛しい幽霊メディエータ〈3〉サヨナラ、愛しい幽霊
Meg Cabot 代田 亜香子

理論社 2006-02
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 自分やポールは、「霊能者(メディエータ)」ではなく「霊界移動者(シフター)」であり、時間旅行をする能力があると知ったスーズ。ポールはその力を使って150年前に行き、ジェシーが殺された事件が起らなかったようにしようとしているようだ。ジェシーが殺されなければ、スーズはジェシーと出会わなかったことになる。それだけは何としても阻止したいと、スーズはポールの祖父に習った方法で時間移動をした。
 無事150年前の世界に行って生きているジェシーに会えたスーズだったが、彼に会ってしまった以上殺されるのを黙って見ていることはできなかった。

 スーズがジェシーと出会えないなんて考えられないと言い出した時は、スーズらしくないと思った。自分の恋心のために、ジェシーはディエゴに確かに殺されてくれないと困るってことじゃないか。これまでガツンガツンと幽霊と戦ってきた威勢のいいスーズらしくなくて、まるで普通の女の子みたいで何か嫌だった。
 でも生きているジェシーに会った瞬間、スーズ自身のエゴは消えた。スーズらしいスーズに戻ってそれでなおかつハッピーエンドだなんて。メグ・キャボットさんならきっと幸せな終わり方してくれるだろうと期待して読んだけど、期待通りのハッピーエンドで大満足。
 スーズが過去からジェシーの肉体を連れて来ちゃった時点で、ジェシーの魂が入ってハッピーエンドか!と嬉しい気分になってそのまま一気に読んだ。最後のダンスパーティの様子とか、幸せすぎ。その中にパパとの別れのシーンが実に効果的。サブタイトルの「サヨナラ」がジェシーのことかと心配しつつ読んだけど、パパことだったようだ。ジェシーがいるからと、消えてしまったパパにじんときた。今までスーズを見守っていくことが、パパの心残りだったんだなぁと。
 シーシーもアダムとくっついたみたで、こちらもハッピー。
 スーズのアクションシーンがなかったのは残念だけど、最後まで楽しく読ませてもらいました。
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『メディエータ2 キスしたら、霊界?』  メグ・キャボット
2009-01-26 Mon 11:31
メディエータ〈2〉キスしたら、霊界?メディエータ〈2〉キスしたら、霊界?
Meg Cabot 代田 亜香子

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 スーズは夏休みに、強制除霊されそうになったジェシーを助けるために足を踏み入れた「あの場所」の悪夢でうなされる毎日を送っていた。ところが夏休みが終わって高校3年に進級した初日、ジェシーを強制除霊しようとしたポール・スレーターが転校してきていた。あっという間に女子生徒からの人気を集めたポールは、彼を嫌悪するスーズに付きまとう。自分達の力について真実を教えると言ってきたポールに、スーズも話を聞かざるを得なくなる。
 一方ジェシーは、前回の事件でのキス以来スーズを避けているようだ。やっと自分の気持ちを打ち明けられると思っていたスーズはがっかりし、ポールのことを打ち明けられなくなる。

 これの前の巻に当たる「ゴースト、好きになっちゃった」を知らずに一番最初に読んで、シリーズ本だったことに気付いて最初から読んできた。やっと前に進めると思ってたのに、1年以上前に読んだ「ゴースト、好きになっちゃった」の内容がうろ覚えだなんて残念すぎる記憶力。メグ・キャボットさんが要所要所で前作を掘り返しながら書いてくれてるから意味がわからないってことはなかったけど、そーいやそんな事もあった気がすると思いながら読むんじゃ気持ちも中途半端。とはいえ、私の中で物語が進んだのは喜ばしいこと。
 ポールは、スーズは現世と来世を行き来できる「シフター」であって「メディエータ」ではないとい言う。さらに、スーズは幽霊のジェシーとは付き合えないと言いつつスーズに迫る。いくらポールがかっこいいとはいえ、やっぱスーズはジェシーが好きなんだなぁ。ジェシーが幽霊でも。
 今回、メディエータの仕事は物語のオマケみたいなもんだった。ジェイクの友人、ニールが連れてきた幽霊のクレイグは「魂の転移」の話をスムーズにするために出てきたんじゃないかってくらいオマケっぽかった。一応ちょっと暴れはしたものの、最後は不自然なくらいあっさり納得してしまうし。何だろうな。
 これまでスーズが抱いている複雑な気持ちが描かれていた新しい家族についても、ちょっと手を抜いてるように見える。それでも義父・アンディってやっぱいい人だなぁ。家庭的ってだけじゃなくて、急にできた娘に戸惑ったりしないで向い合い、ちゃんとスーズの父親になろうとしてくれてる気がする。スーズの母親はどうなんだろうな。スーズ目線すぎるから、スーズの母親が3人の新しい息子にどういう態度で接してるのかはわからない。
 ジェシーとの関係は着実に進んでる。スーズを、スペイン語で“大切な人”という意味を持つ「ケリーダ」と言う言葉で呼ぶとか、何かぎくしゃくするけど毎日必ずスーズの部屋に現れるとか。最後にはポールの安い挑発に乗って殴りかかるとか、既に駆け引きも必要ない段階だろうと思ってしまうのは私がいい歳した大人だからだろうか。
 でもスーズは、ジェシーは自分を何とも思ってないと思ってる。アメリカの話だからって、その辺は日本の鈍い女の子と変わらないもんなんだな。最後にはまたキスして終わりとか、ラブストーリーの王道も日米の差はないらしい。ただ、恋愛の話が出るほど終わり方が気になる。このシリーズは次の巻で完結していて、サブタイトルは「サヨナラ、愛しい幽霊」。サヨナラて・・・。読むのはちょっと怖いけど、アマゾンの評価はなかなか。基本、ティーンズが対象になってるから、変に寂しい終わり方はしてないと信じたい。
 自分の能力をずっと隠し通してきたスーズだけど、状況は少しずつ変わってきてる。義兄のブラッドはジェシーの声が聞こえていたようだし、シーシーは「ジェシーって、幽霊なんでしょ?」と言ってくる。これらのことは最終巻に作用してくるんだろうか。
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『メディエータZERO episode3―復讐のハイウェイ』  メグ・キャボット
2008-03-06 Thu 23:57
メディエータZERO episode3 (3)メディエータZERO episode3 (3)
代田 亜香子

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 一番最新刊でありながら、シリーズ3巻目に当たるという複雑な出版をしている「メディエータ」シリーズ。この本を読んで、やっと『ゴースト、恋しちゃった』を底から理解できた気がした。
 2冊だけながら集英社の方に慣れてしまって、改めて理論社から出てる方の表紙を見るとちょっと不思議な気分。スザンナ、アジアンガールにしか見えないよ!だからといって集英社の方のイラストもどうかと思うけれども。
 
 さて、内容と感想。
 ニューヨークから遊びに来ている親友・ジーナと海に遊びに行ったスザンヌは、そこで4人の幽霊を見た。前日に起こった車の正面衝突事故で命を落とした高校生達。人気者かつ将来有望な高校生達だった彼らは、死の原因となった対向車を恨んでいた。その相手は、スザンヌのクラスメイトのマイケル。妹がプールで溺れて昏睡状態でもあるらしく、不幸が続いている少年だった。
 スザンヌはいじめられっ子でもあったマイケルを助けた縁から、彼に勘違いされてつきまとわれるようになる。メディエータとして必死にマイケルを守っていたスザンヌだったが、ジェシーの協力によってメディエータ仲間の校長と共に幽霊達と話し合う機会を得た。彼らは、車の衝突は事故ではない言う。

 これまでニューヨークの親友として名前しか出てなかったジーナだけど、これがまたかっこよかった。ジーナは長身にオレンジのドレッドヘアという日本人高校生にはあり得ない出で立ちで登場するけど、スーズの高校についてきて授業でバシッと自分の意見を言うし、モテモテで(死語か?)ジェイクやブラッドは彼女に取り入ろうとするし、何よりスーズの能力に気付いていた。それをさり気なく切り出し、さらにスザンヌに協力してくれる。これまでずっと一人で戦っていて、カリフォルニアに来てようやく同類を見付けたスザンヌ。母親に隠してることを“仕方ない”みたいに割り切った様子を見せながらも、どこか寂しそうに描かれていた。こういうとこ、メグ・キャボットはめちゃ上手いんだけど。だからジーナが、メディエータについて気付いてることをズバッと持ち掛けた時も、読んでて素直に「スザンヌはいい友達を持ったなぁ」と思える。それでもスザンヌはジェシーのことは話せないんだけど。
 この巻でスザンヌは、念じることで幽霊を自分の元に呼び寄せることができる能力を持つことを確信した。今後その能力は役立って行くのかな?『ゴースト、恋しちゃった』では出てこなかったような気がするけど。
 それから結局ジェイクといい関係になったっぽいジーナ。こっちも『ゴースト~』にはその後については書かれてなかったと思う。どうなるんだろうか?ただのひと夏の恋ってだけなんだろうか?アメリカのフリーダムな恋愛スタイル見てると、その線もなかなか・・・。
 今後の展開も気になるけど、とりあえずもう一回『ゴースト~』を読んでから先に進もうかな。
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『メディエーター 呪われた転校生』  ジェニー・キャロル
2008-02-10 Sun 21:25
メディエーター 呪われた転校生 (集英社文庫)メディエーター 呪われた転校生 (集英社文庫)
Jenny Carroll 布施 由紀子

集英社 2004-08
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 メグ・キャボットがジェニー・キャロルのペンネームで出した本。幽霊がこの世に残した未練を全うし、時には力づくであの世に送るという役割を担ったスーズことスーザンの心霊騒動「メディエーター」シリーズ第2弾。
 スーズの部屋に突然現れた女性の霊が、「レッドに“あなたが私を殺したわけじゃない”と伝えてほしい」とだけ言って消えた。調べてみるとレッドとはカリフォルニアで不動産業に成功した男で、スーズは彼の息子のタッドとプールパーティで出会っていた。幽霊の伝言を伝えるべく訪ねて行くと、レッドの様子がおかしい。同じメディエーターである校長に話すと、彼は吸血鬼ではないかと言い出した。一方ではタッドとの仲が急速に進展していく。

 アメリカのティーンズノベルにも関わらず、相変わらずダサい表紙してるなぁ。1巻以上に変な表紙。
 この巻でスーズは、引っ越したばかりの自分の部屋に取り憑いているかっこいい男性幽霊・ジェシーへの恋心に気付く。けどジェシーは幽霊なんだからと必死に気持ちを抑えてるところがかわいいじゃないか。それでいて相変わらずスーズのストロングっぷりが面白い。スーズは賢いし、抜群の行動力だし、何より強い。前回と違って生身の人間と戦うシーンがあるけど、女子高生にあるまじき強さだ。それでいて乙女心特有の勘違いとか妄想とかが上手く絡んでいる。その辺のバランスとか本当に絶妙で、恋愛物が苦手な私が読んでて楽しいと思えるほどだ。
 義父や義兄弟達との生活は相変わらず面倒そうだけど、幸せそうにしている母親のために我慢しているところは健気でもある。スーズは突然できた家族と距離を置いてるみたいだけど、めちゃめちゃいい人達っぽいと思うけどなぁ。特に父親のアンディとか。それでも母親の再婚を割り切ることはできない16歳の女の子の気持を上手く描いてくれちゃってる。
 そして最後に、ちょっとほろりもあり。

 さて、これでやっと理論社の「メディエータ」シリーズにつながるわけか。理論社から出てる分は、まず絵がかわいくなる。この『メディエータ 呪われた転校生』はこうなる。

メディエータ0 (episode2)メディエータ0 (episode2)
メグ・キャボット

理論社 2007-10
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 集英社版は禍々しすぎる・・・。サブタイトルも、理論社は「吸血鬼の息子」にしてるし。そして訳者も変わる。私は知らずにシリーズの4巻目にあたる本を既に読んでしまってるけど、気にするほどの違和感はなかったかな。理論社の訳の方が砕けてる気がしないでもない。集英社の方は忠実すぎるのかもしれない。ていうか4巻を読んだのが結構前だから、あんまり覚えてないっていうのもある。まあ多少雰囲気変わっても気にならないし、ノリは変わらないからいいんだけど。
 次の巻は『メディエータZERO episode3』になるけど、理論社がめちゃくちゃな出版順で出しやがったから何か変な気持ち。
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『メディエーター―霊能者の祈り』  ジェニー・キャロル
2007-12-13 Thu 22:52
メディエーター―霊能者の祈り (集英社文庫)メディエーター―霊能者の祈り (集英社文庫)
Jenny Carroll 布施 由紀子

集英社 2003-07
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 16歳のスーズは母親の再婚のために、生まれ育ったニューヨークを離れてカリフォルニアに行くことになった。この世に留まっている霊を見ることができ、彼らの心残りをまっとうする「メディエータ」であるスーズは、新しい家の自分の部屋で若い男性・の幽霊・ジェシーと出会う。また、新しく通うことになったクリスチャンの学校には恋人に振られて自殺したヘザーという美少女の幽霊が。ヘザーは元恋人のブライスを殺そうと、高校に留まっている幽霊だった。それと同時に、校長が自分と同じ能力を持っていることを知った。
 表紙はミステリーっぽいけど、ジャンルは一応ホラー・・・かな?全く怖くないんだけど。
 序盤から一気に色んなことが起こるけど、そう混乱することなく読めたのは作者の書き方が上手いからだと思う。登場人物もわかりやすい。新しい父親と3人の兄弟に戸惑い、長旅の疲れでジェシーに八つ当たり。危険な幽霊ヘザーには拳や蹴りで戦う。そのヘザーの元彼ブライスといい感じになってきて更にヘザーの恨みを買うし。そのドタバタ感がいい感じで面白い。
 このスーズ、常にファッションを気にしてる所とか、3兄弟をウザがる所とか普通に女の子なんだけど、何かが起こった時にはきちんと自分の意見を言える。かなりかっこいい女の子だ。しっかりと自分を持っている姿はさすがアメリカ人。って、アメリカ人への偏見?
 ジェニー・キャロルはメグ・キャボットの別名らしいけど、やっぱ面白いなこの人。このシリーズは完結してることだし、ちゃちゃっと読んでしまいたい。

 ところでこのシリーズのややこしさがやっと解決した。は何だか面倒なことになってて、ジェニー・キャロルの名前で集英社から1~2巻が出てて、続編がメグ・キャボットの名前で理論社から1~3巻として出てる。続編なのに1~3巻となってる時点でまたややこしい。理論社はその後、集英社から出た1~2巻を「エピソード1」「エピソード2」という形で出版。つまり理論社は3・4・5・1・2と出してる。さらに著者名も役者名もイラストレーターも違うため、見た目は全く別物。これは混乱した。
 しかし集英社、アメリカのティーン向けの本をこんな表紙で出すことなかったろうに。理論社は、この本をこの表紙で出している。

メディエータZERO episode1 (1)メディエータZERO episode1 (1)
代田 亜香子

理論社 2007-08
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 これはこれで、イラストの女の子はアメリカンに見えないんだが。
 サブタイトルは「天使は血を流さない」。これでこそティーン向けだよな。
別窓 | [海外の作家]メグ・キャボット | コメント:0 | トラックバック:0 |
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