元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告 |
『名もなき毒』  宮部 みゆき
2009-02-09 Mon 14:23
名もなき毒名もなき毒
宮部 みゆき

幻冬舎 2006-08
売り上げランキング : 21988
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 妻の父親が立ち上げた大手企業で社内報を作る編集部に所属している「私」こと杉村三郎は、アルバイトの原田いずみのことで手を焼かされていた。彼女は仕事をなかなか覚えず、失敗しても非を認めず人のせいにした揚句に喰ってかかり、トラブルメーカーとなっている。揉め事を大きくしていく原田いずみを調べることにした「私」は、私立探偵・北見の所で未知香という少女と出会った。彼女は連続無差別毒殺事件の被害者の孫で、母親が祖父殺しの犯人と疑われていることを相談に来ていた。
 「私」は未知香の相談に乗るうちに少しずつ事件に足を踏み入れるようになるが、同時に原田いずみの件も事が大きくなっていく。

 読み始めるまで知らなかったんだけど、以前読んだ『誰か』の登場人物達じゃないか。全く違う事件を扱ってるから続編って言うと違う気がするけど、『模倣犯』と『楽園』の関係と一緒。あの人は今、みたいな。
 彼らが織り成す話となると、『誰か』があまり面白く感じれなかった私は最初っからちょっと気合いが抜ける。しかし読んでみたら意外と面白かったんで、これまた騙された感が・・・。でも主人公一家へ感情移入できず、何となく家族関係の記述を煩わしく感じてしまうのは相変わらずなんだけどね。
 最初はいかに原田いずみがやっかいな人間かを描き続けていたけど、その原田いずみのクレイジーっぷりが凄い。ていうか怖い。理屈が通じない人間、話を理解できない人間って本当に怖い。それが気にくわないとヒステリーを起こして暴れたりするとなると、ぞっとする。結局彼女は何だったんだろうなぁ。鬱とかいうレベルじゃない。もっと精神を病んでるか、脳障害を持ってる人が感情を暴走させているような不気味さが常にある。
 彼女の父親から兄の結婚式での出来事を聞いた園田の想像が原因かと思って読み進めた。しかしあれは嘘だと本人が言う。何が原因で原田いずみがああいった虚言癖を持った攻撃的な性格をしているのか不明なまま、終わってしまう。理由不明のクレイジーさは、実に不気味だった。
 毒殺事件の犯人挙げは軽い盛り上がりを見せたものの、その後の原田いずみが起こした事件のせいで霞んでしまったように思う。原田いずみがはそれくらいアクの強い人物だった。とはいえ、最初は青酸カリのことかと思われたタイトルの「毒」が実はもっと深刻な社会問題的「毒」を示した・・・と見せかけてさらに深い人間の「毒」まで持って行くのが見事。タイトルが効いていると、おお~って思う。
 しかし何となく全体的にぼんやりしてしまうのは、やっぱ宮部みゆき作品なのに彼女の得意な人物掘り下げがないからだろうか。主人公の「私」も何だかつかみどころがないし、その他の誰も掘り下げてない。ページ分以上の掘り下げで下地を作っておいて事件が進んでいく、あの凄技っぷりは好きなんだけど。
 あと、主人公の一家が好きになれない。「私」とその妻・菜穂子、そして義父・嘉親。育ちの良さからお金を使うことに惜し気なく、それを当然と考えている菜穂子に「私」は多少の反発というか、僻みというか、まだどういう感情に成長するのかわからない感情を抱いている。「私」は菜穂子のどこが好きなんだろうか。まずそれがわからない。守ってあげたいタイプの性格でもなく、体は弱いのに芯がしっかりしているとかでもなく、特筆すべき性格が表れてなくて、家のこと以外で何をやってるのか不明。しかし家のこと、娘のことにはお金を掛ける。そのお金も出所は父親っぽい。読み聞かせのボランティアをしてるらしいけど、そのシーンがあるわけでもない。なかなか彼女の人物像に迫れない。「私」が時折“妻はこういう所がある”と語るだけなんだけど、それがかえって煩わしい。
 つまり良家のお嬢様ってだけで、飾り物に似た存在でしかない。夫婦仲は良く、「私」は妻に何でも話す。その妻がしたり顔で口を挟んでくるんだけど、あんた世間知らずのお嬢様のくせに何その分析ってな感じで。実際こんなふうに育ちのいいお嬢様が世間知らずのまま結婚して、親の庇護下から出ないまま生きたらこうなるのかもしれない。ただ、フィクションなのにそのキャラがそれ以上でもそれ以下にもならないのが、この人いなくてもいいじゃんって思う。しかしまあ、実際お金は空から降ってくるもののように考えてる菜穂子は羨ましくもあるな。いやだからって、僻みで「こいつ嫌い」とか言ってるわけじゃないよ。そりゃ確かに、せめて恵まれた環境に感謝する人間なら好感が持てたかもしれないけど。
 私が初めて読んだのが『模倣犯』で息を飲む展開に驚いて、ああいう話を書く人と決めてしまってるのかもしれない。だからつい、こういう繊細な部分を内包した話に物足りなさを感じてしまうのかもしれない。作品にその作家「らしさ」を求めて読むと、物語の面白さを損なうのは当然なわけで。もうちょっと宮部みゆきを知ってからでないと、私はこの作品を評価しない方がいいのかな。もちろん、『誰か』も含めて。
 でも、ありきたりだろうけど秋山省吾、五味淵まゆみのコンビは読んでて愉快だった。シリーズ化するって噂をちらっと見かけたけど、それが本当ならこのコンビはじゃんじゃん出て欲しい。シリーズ化していくうちに、「私」が菜穂子に抱く反発のような僻みのような、その芽のような感情が何になるのかわかるかもしれない。菜穂子の存在が意義あるものになってくるかもしれない。
スポンサーサイト
別窓 | [ま行の作家]宮部 みゆき | コメント:0 | トラックバック:0 |
『楽園 上』『楽園 下』  宮部 みゆき
2009-01-25 Sun 20:27
楽園〈上〉楽園〈上〉
宮部 みゆき

文藝春秋 2007-08
売り上げランキング : 35419
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

楽園 下楽園 下
宮部 みゆき

文藝春秋 2007-08
売り上げランキング : 24474
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 9年前の連続女性誘拐殺人事件のショックから立ち直りつつある前畑滋子を訪ねて、萩谷敏子という中年の女性が訪ねて来た。敏子は、12歳で死んだ息子・等にはサイコメトラーの力があったのではないか、その真偽を調べて欲しいと滋子に頼む。
 16年前に両親に殺されて埋められた少女が発見されるという事件を、等は遺体発見より前に絵に描いていたという。何かの偶然ではないかと思いつつ見せられたノートを捲っていた滋子は、描かれた“山荘”の絵を見てこの件を引き受ける決意をする。それは“山荘”事件から目を背けてきた自分自身との闘いでもあった。
 等はただ単に印象に残った風景を描いただけなのではないかと考えた滋子は、その説を裏付けるための調査をする。そのうちに16年前の事件が起こった家で唯一無関係だった次女・誠子と出会い、彼女から事件の真相を調べて欲しいと依頼された。滋子は既に時効となった殺人事件に足を踏み入れることになっていく。

 『模倣犯』を読んだのは何年前だったろうか。不良司書の私は宮部みゆき初読で(今でもあんまり読んでないけど)、何て凄い物書く人なんだ!と感動したものだ。そう書き込んでないのに説得力ある人物描写とか、関係ない事件の被害者が絡んでるのに不自然じゃない流れがあったりとか、場面も時間も飛ぶのに混乱させられることなく読めた文章とか。どう持ってくるのかと思った結末にも驚いた。
 その事件で最後に大活躍した前畑滋子が登場する小説。『模倣犯』と共通している人物はのは夫の昭二と、秋津刑事くらい。網川浩一の現状は一審の死刑判決を上告したという程度しか書かれておらず、真一君や有馬さんにはノータッチだった。彼らがどうしてるか知りたかった気もするけど、書かれて興ざめするよりはいいかと納得する。
 さて『楽園』。普通にリアルな話だと思って読み始めたら、等の能力が認めざるを得ないことになった展開に驚いた。それと、なんてたくさんの不幸が転がってるんだろうと思う。両親に殺されて埋められた少女・土井崎茜、低学年にいたずらをする小学校教師、妻子ある人と職場恋愛で苦しむ美術教師など。それらが意味もわからず見えてしまうことが不憫だ。また、祖母に縛られた人生を送った挙句に子供を孕んだと同時に放り出されて、それでも誰も恨まず懸命に生き続ける敏子の人生も重苦しい。
 途中から等の能力よりも長女殺しの方に重点が移っていったのにはちょっと肩透かしを食らった感じがした。前半であれだけ等の能力や敏子の愚直さを描いていたのに、それを「ちょっと置いといて」みたいになってしまっている。
 しかも土井崎家について調べていく滋子の閃きは的中しまくりで、大した驚きもないまま茜の元彼が犯した事件によって幕を閉じる。面白くないことはないんだけど、衝撃の『模倣犯』の世界の続きと思うと物足りない。
 それでも土井崎向子の語る真相には考えさせられた。普通に育てたつもりの子供が反抗的なだけでなく、夜遊びを繰り返して遂には人を殺したことを何とも思わない人間に育ってしまう。『模倣犯』の栗橋浩美や網川浩一には複雑な過去があったけど、この作品に出てくるモンスターな若者達にはそれがない。それは最近のニュースで見る若者にも通じるものがあって、無関係面していられない気がする。もし自分の子供が・・・とか、考えると恐ろしい。
 誰しも多かれ少なかれ重い物を抱えた人生が描かれているけど、ラストに救いがあって良かった。茜が求めた「楽園」の先には両親からの絞殺があった。呆れるほどに真っ直ぐ生きた敏子には、考えもしなかった「楽園」が待っていた。何か示唆的だと感じるのは深読みしすぎかもしれないけど。
 一人ひとりの人物描写が丁寧なんだけど不幸な人ばかりスポットが当たるから暗欝としてたけど、このエンディングで心が晴れた。
 ただ、滋子が主人公なぶん、どうしても比べてしまう。ギリギリまで引っ張って最後にパッと見事に畳み込んだ『模倣犯』と比べると、やっぱちょっと物足りないかなぁ。あの衝撃はなかなか忘れられないから、残念だ。
別窓 | [ま行の作家]宮部 みゆき | コメント:0 | トラックバック:0 |
『堪忍箱』  宮部 みゆき
2007-11-02 Fri 00:52
堪忍箱堪忍箱
宮部 みゆき

新人物往来社 1996-10
売り上げランキング : 343362
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 町人を描く時代劇短編集。


「堪忍箱」
 火事で祖父が死に、母が意識不明となった。残されたお駒は決して中身を見てはいけない“堪忍箱”の存在を教えられる。彼女は、2年前に死んだお駒の父親や火事以来ずっと目が覚めない母親はもしかして箱を開けてしまったのではないかと疑うようになった。
 これは何だか物足りなかったな。あやふやなまま終わっていった気がする。


「かどわかし」
 畳屋の箕吉は、料亭の息子・小一郎から自分をかどわかしてくれと頼まれる。断って家まで送っていった箕吉だが、後日小太郎がかどわかされた時に真っ先に疑われてしまった。
 箕吉、小太郎、小太郎の母親のおすえ、3人とも思うところがあり、一生懸命生きてる感じが良かった。


「敵持ち」
 居酒屋の亭主が死に、板前の加助が板場を任せられた。しかし未亡人のお鈴に岡惚れした勇吉という客がお鈴と加助の仲を疑って、加助を脅すようになった。困った加助は同じ長屋に住む浪人の小坂井に用心棒を頼む。依頼初日、小坂井と共に仕事場から帰る途中に二人は人殺しに出くわした。
 事件そのものがあっさり解決したのは良かったけど、小坂井のその後が気になる。小坂井の裏の顔を半端に見せられて終わってった。


「十六夜髑髏」
 火事で家族をなくしたふきは、15歳で米屋に奉公にあがった。その米屋には、十六夜月の光が一筋でも店に差し込んだら旦那が死ぬという祟りがあるという。
 これも何か中途半端だったなぁ。どの怪奇現象もあいまいだし、外に出た旦那がどうなったのかも不明。案外平気で、そのまま笑い話になってたりとかするんだろうか。どうなんだろうか。


「お墓の下まで」
 藤太郎、ゆきの兄妹は、捨て子として市兵衛に引き取られた。15年後に彼らを引き取りにきた母親に、2人は大きく戸惑う。実は2人は捨て子ではなく、母親に「いつか迎えに行くから、それまで捨て子のふりをしていてくれ」と頼まれていた。しかし数年後「やっぱり迎えに来れない」と言われた2人は、自分達は市兵衛の子と思って生きていた。
 ゆきは同じく市兵衛に引き取られた姉のおのぶにだけ真実を話すと、実はおのぶも訳有りの捨て子だったと打ち明けた。
 一方父親の市兵衛も、子供達には言えない秘密があった。今は亡き妻のお滝が赤ん坊を攫い、隠して育てようとした挙句に死なせてしまっていた。
 藤次郎とゆきの実母をきっかけに、家族4人が眠れない一晩を過ごす。
 これは面白かった。最初に出てきた藤次郎とゆきの秘密がどんどん大した事ないように思えてくる。でも、4人は家族なんだよなぁ。4人全員の秘密は読者にしか知らなくて、おのぶと市兵衛はそれこそ墓の中まで持っていくんだろうね。


「謀りごと」
 丸源長屋の差配・黒兵衛が、長屋の浪人・香山の部屋で死んでいた。誰が殺したのかわからないまま住人が集まって話をするが、黒兵衛には色んな面があったことを知ることになる。
 人一人死んで穏やかじゃない話も出てるのに、何となく平和な話だった。


「てんびんばかり」
 幼馴染のお美代が大黒屋に後添いに入った。何となく面白くない物を抱えたままのお吉は、お美代が大黒屋の旦那以外の子供を身篭っていると知る。2人で不幸を切り抜けてきてずっと一緒にいようと約束したのに、さっさと嫁いだお美代。告げ口すれば仕返しになると思いつつ、お吉その考え自体に苦しんでいた。
 お吉の気持ち、何かわかる。お吉はお美代を守ってきたのに、彼女は自分のことだけを考えて嫁いだ。憎いのとは違うけど、どっか引っ掛かりを覚えるんだろうな。でも、お吉も幸せになりそうで良かった。で、お美代のお腹の子は誰の子なんだろう?


「砂村新田」
 父親が目を患って以来不幸が続き、母親が働いても暮らしが厳しいためにお春は通い奉公に出ることになった。ある日、母親のことを知ってそうな口ぶりの男に会う。
 この話が一番好きだな。短い間にお春の成長が見られ、父親も治りそうな気配。家族が支えあって窮地を乗り切ろうとしている感じで、良かった。
別窓 | [ま行の作家]宮部 みゆき | コメント:0 | トラックバック:0 |
『かまいたち』  宮部 みゆき
2007-08-31 Fri 01:19
かまいたち (新潮文庫)かまいたち (新潮文庫)
宮部 みゆき

新潮社 1996-09
売り上げランキング : 17487
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 宮部みゆきの初期の時代小説。表題作+3編の短編集。初期の作品って、やっぱこんなもんか。今の宮部みゆきが凄すぎて、これはちょっと物足りなかった。

「かまいたち」
 医者の娘おようが連続辻斬りを目撃する。番屋に駆け込んだが、同心を連れて現場に行くと死体が無くなっていた。同心達は目撃談を本気にしなかったが、おようはお奉行様の隠密だと言う青年と共に事件を調べようとする話。
 話自体は全体的にオーソドックスで想定内のどんでん返し。そのまますぐ時代劇になりそうなくらいの王道っぷり。大岡越前守忠相が出てきたことが唯一の驚きだったかな。

「師走の客」
 宿を営む夫婦が常連客から金儲けの話を持ちかけられる。しかしそれは、数年がかりの詐欺だった。トリックは微妙だけど、短いからサクッと読めて楽しめた。
 最後のオチが、金が茶色くきらめいて出てくる感じが何とも・・・。いや、ビジュアルはイメージですが。

「迷い鳩」
 岡っ引きの妹のお初が、通りすがりの女性の着物に血が付いてると指摘した。血はお初にしか見えておらず、この件からお初の特殊能力が判明していく。
 この特殊能力で連続殺人事件を解決する話なんだけど、ストーリー自体はそれほど面白くはない。でも、登場人物が楽しかった。南町奉行所の根岸は実在の人物だし、彼が記した「耳袋」も出てきて、その辺の絡みが好き。実在の人物が出てくるフィクションって好きだ。

「騒ぐ刀」
 「迷い鳩」と同シリーズ。お初の兄の六蔵が、夜鳴きする刀を預かる。他の人にはうなり声にしか聞こえなかった声が、お初には言葉として聞こえていた。
 同じ時分、凶器不明の一家惨殺事件が相次いでいた。フィクションの常として、当然ながら二つの事件は繋がっていく。
 「迷い鳩」よりオカルトテイストが強い。ラストの憑依シーンとかいまいちだったのに、読み終わったら何か怖かった。何でだろう。

 全体的に、今の宮部みゆきならもっと面白く書いてくれそうな気がしてならない。何も考えないで読めたら面白いだろうけど、今の宮部みゆきがビッグすぎて変に期待してしまった。ネームバリューの先入観で娯楽を奪われたことが残念。
別窓 | [ま行の作家]宮部 みゆき | コメント:1 | トラックバック:1 |
『誰か』  宮部 みゆき
2005-08-10 Wed 20:35
誰か ----Somebody誰か ----Somebody
宮部 みゆき

実業之日本社 2003-11-13
売り上げランキング : 277359
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 期待して損した。全然面白くない。
 ある男性が自転車でひき逃げされて死んだ。残された娘二人が、父への想いを本にしたがっており、本を出版することによって犯人を見付ける手がかりにならないかと思っているらしい。編集の仕事をしている主人公は義父から頼まれて、その姉妹を手伝うことになった、という話。
 こういう手記って人気微妙なんだよねぇとか思いながら読み進めたけど、最後まであんまり波のない地味なストーリーだった。宮部みゆきだからこそ、このつまらんネタを何とか引っ張れたのかな。
 私がつまらんと思ったのは、そもそも主人公を好きになれなかったからかもしれない。平凡すぎるんだよね。平凡さが魅力な主人公もいっぱいいるけど、この平凡さは本当に面白くない。家庭とか普通すぎる。虚弱で美人の普通の奥さんに、かわいらしい普通の娘、仕事は財閥である義父のコネ。でも義父との関係は普通。主人公自身に魅力がなさすぎて、どこに焦点を当てて読んでいいのやら・・・・。
 宮部みゆきは「模倣犯」しか読んだことなくて、あれは面白いっていうか鳥肌立つような巧みな小説だったから、今回とっても期待した。その分がっかりも大きい。でも結構人気なんだなぁ。何でだろ。
別窓 | [ま行の作家]宮部 みゆき | コメント:0 | トラックバック:0 |
| よむよむ記 | NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。