元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
『新本格魔法少女りすか3』 西尾 維新
2007-12-20 Thu 21:59
新本格魔法少女りすか3 (講談社ノベルス ニJ- 18)新本格魔法少女りすか3 (講談社ノベルス ニJ- 18)
西尾 維新

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 2巻で供儀創貴、水倉りすか、繋場いたちの3人は、夏休みが始まったその日に旅に出た所で終わっていた。この巻では、「6人の魔法使い」との戦いがメイン。ちなみにやっぱり、キャンドルシティは博多市にあるという設定だった。博多市って何か違和感ある言葉だなぁ。

7話目「鍵となる存在!!」
 ツナギが「6人の魔法使い」の2人目・地球木霙(ちきゅうぎみぞれ)をあっさり倒したその日、創貴が部屋で一人いる所に水倉鍵が現れて創貴を仲間に引き入れようとした。世界をやると言われてあっさり承認した創貴だったが、相手の力量を測るためにゲームを挑む。創貴は、「6人の魔法使い」でありながら魔法使いではなく人間で、なおかつ「魔法封じ」の能力を持っている水倉鍵2人とビンゴゲームをすることになった。その過程で、「箱舟計画」についても知らされる。
 ちなみに水倉鍵はりすかとは血縁関係にはない。あと、彼は「6人の魔法使い」の6人目だそうだ。

8話目「部外者以外立ち入り禁止!!」
 ビンゴゲームは引き分けで終わり、水倉鍵が部屋を出ようとした時にりすかとツナギが帰って来た。りすかの右腕に「魔法封じ」を発動して去った水倉鍵。暴走する右腕をツナギが食べることで収めたが、「6人の魔法使い」の3人目(水倉鍵はあくまで「6番目」らしい)・「泥の底」蠅村召香(はえむらしょうか)の魔法が発動した。物体を固定する魔法で部屋に閉じ込められた3人。りすかは「魔封じ」で大人バージョンになる魔法を封印され、「魔封じ」された右腕を食べたツナギは全身の口が使えなくなる。
 仲間になれば魔法を解除すると電話口で言う水倉鍵。創貴は未来への時間しか「省略」できないりすかに、過去への時間を「省略」するよう命令した。

9話目「夢では会わない!!」
 創貴は放課後の図書室で在賀織絵と会い、帰り道に問題児転校生・繋場いたちと話し、家に帰ると4人目の母親・きずなとやり合い、その後和菓子を持って不登校児の水倉りすかを訪ね、家に戻る途中でりすかの妹・水倉鍵と話した。何となく違和感のある世界だったが、それは塔キリヤの魔法が作りだした平行世界「パラレルワールド」だった。
 創貴の義母・きずなと父親・創嗣の無茶っぷりでその魔法を打破したが、現実は絶望的な状況だった。ちょっと嫌なところで終わったなぁ。1巻の終わりでも2巻の終わりでも特に思わなかったけど、今回ばっかりは続きが気になると思った。
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『ニンギョウがニンギョウ』  西尾 維新
2006-04-24 Mon 23:08
ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)ニンギョウがニンギョウ (講談社ノベルス)
西尾 維新

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 嫌よ嫌よも好きのうちとか言うけど、私は本当はこの作者が好きなのかなぁ。最初読んだ時は、動機のない惨殺事件満載っぷりに嫌悪したんだけど。でもなんでかマニア受けがすごいこの作者。その人気を理解しようと、またまた読んでみた。
 今回はまた新たな手法を持ち出したな、西尾維新。やっと「戯言シリーズ」のわけわからなさに慣れたのに、ここに来てまた目が点になった。これはこの作者を初めて読む人は怒るだろうな・・・。ちょっと斬新すぎるよ。
 ストーリはないに等しい。誰かの夢日記を読んでるような感じかな。不思議な思考、不条理な情景。ルイス・キャロルみたいな?いや、キャロルの方向に行くと見せかけといて彼を突き飛ばして行ったような。ここまで狂気めいた世界を書いてても、作者は別に気は狂ってないらしい。
 真面目に読もうとしたらブチ切れると思う。誰かの夢を聞いてるつもりで読むと・・・胸張って面白いと言える本ではないけど、こういう本もあるんだという勉強には・・・って、ほんと表現に困る本だな。
 例えば、主人公「私」には妹が23人いる。17番目の妹が死んだから、映画を見に行こうと決意する。17番目の妹が死ぬのは4回目。映画館に行く途中に森のくまさんが電話を貸してくれる。映画は天井から逆さ吊りで見るタイプ。興奮しすぎると頭が破裂してしまうらしい。
 例えば、足が腐り始めたから、語頭と語尾に「お兄様」を付ける5番目の妹と人体交換屋に行く。そこに行くには牧場に行かないといけない。牧場には紙製の羊がいるが、お湯の雨が降ったために羊が溶ける。羊の毛を刈らないと人体交換屋に行けないから、羊達から雨の被害を受けてない部分を切り取って1頭の羊に作り上げた。そのため妹は血まみれになる。人体交換屋で、足は腐ってるのではなくて妊娠していた。足から生まれた赤子は森のくまさんが育てることになった。家に帰ると、17番目の妹が帰還したという情報をもらった。
 こんなのがあと2話ある。最初はあまりの奇抜さに度肝を抜かれたけど、読んでると色んな意味で予想がつかない展開。読み進めるのが楽しくなっていった。でもやっぱ斬新すぎるなぁ・・・。
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『ネコソギラジカル』<上><中><下>
2006-01-08 Sun 00:31
ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)
西尾 維新

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ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)
西尾 維新

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ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
take

講談社 2005-11-08
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 戯言シリーズ最終巻。シリーズ中盤で中だるみがあったけど、最後はめでたしめでたしだった。
 平凡でやる気もない青年(確か19歳)が、色んな殺人事件に巻き込まれて解決していく・・・と書くと陳腐でありきたりになるけど、そこはライトノベル。殺し屋軍団とか変な研究者とかがたくさん出てくる。その人達全員がキャラ重視だから、ちょっとついていけない所はあった。もう年かな。キャラクター小説ってやっぱ難しい。
 全体を通して、作者の表現力不足が目立つ作品だった。そもそも「戯言使い」を名乗ってるくせに戯言を使いこなせてない。適当なことを言った後に「戯言だけどね」と言ってるだけに見える。
 小説の中で頭がいい設定の人を、読者そう感じることができない。強いという設定の人の強さを感じない。ただそういう設定にしているだけで、具体性が少ないからだと思う。圧倒的に勝るという理由で濁してるように見えたんだよね。
 西尾維新の特徴であり、私が苦手だった点をもう一つ。思想が混沌と書かれている部分。多分、色んな文学や哲学書を読んでて知識はある人なんだと思う。しかしこれをだらだらと語られると、ぐったりくる。だって実がないんだもん。言うだけ言って「戯言だけどね」と言われると、小説のスパイスにもならないじゃないか。地の文ならまだいい。会話文でやられると、不自然極まりない。
 そんなこんなで、今をときめくライトノベルを否定的に見てきた。でも幸せな方向で終わっていたんで、ここまで読んだ甲斐があったと思う。
 さてこの本はどこがそんなに魅力なんだろうか。否定的に見ていた私が考えて思い当たるのは、主人公の性格なんじゃないかと思う。やる気がなく受身的、他人が苦手で下手すれば引きこもりになりそう。こんなとこが共感を呼んだんじゃないかな。そんな主人公が周囲のキャラ立ちしてる連中に何だかんだ言われながらも慕われ、いつも事件を解決する。そんな活躍が良かったんでないかと。いや、シリーズを借りて行く人達を見てるとそう思うよ。
 でもなぁ。主人公は自分を何の長所もないみたいに常に言ってるけど、実は頭いいキャラという設定だったんじゃないかな。ついでに戦うシーンでも、自分を守れる程度には体を鍛えてある。実は非凡な人だったと思うんだけど。結局、無理やり納得させるような形でこのシリーズを読み終えた。
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『新本格魔法少女りすか2』 西尾 維新
2005-04-19 Tue 21:04
新本格魔法少女 りすか2 (講談社ノベルス)新本格魔法少女 りすか2 (講談社ノベルス)
西尾 維新

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 『新本格魔法少女りすか』の続きということで、この本は4話から始まる。

4話目「敵の敵は天敵!」
 1巻の直後に続く話。影谷蛇之は、水倉神檎からディスクを預けられていた。それを火住峠と共に管理していたそうだ。保管場所の廃病院に行った創貴とりすかが見たのは、火住峠のものだと思われる生首と大量の血、そして創貴達と同年代くらいの少女ツナギだった。属性(カテゴリー)は「肉」、種類(パターン)は「分解」、魔力を分解し吸収するという魔法使いのツナギは、りすかの天敵だと言う。
 西尾維新らしく、痛グロい戦いだった。ちなみにツナギの口は512個あるらしい。両手両足胴体にそれぞれ100ずつで、人間本来の位置の物と額の奴も入れて512って計算で合ってるかな?イラストはどう見ても100個もなさそうだな・・・。背中の口はめちゃめちゃ小さくて密集してるとか?文中の■も512個あるそうだ。そもそも512って数字はどこから出てきたんだろう。

5話目「魔法少女は目で殺す!」
 4話目で激闘したツナギが、繋場いたちと名乗って創貴のクラスに転校してきた。何事もなく夏休み前の終業式を迎えた日、城門管理委員会の一人・椋井むくろがディスクの回収にやって来た。それと同時に、ツナギは城門管理委員会の一員だということが判明。人を見ただけで殺すことができる「眼球倶楽部」の人飼無縁が出没しているという情報に、ツナギは創貴に協力を要請した。ツナギを仲間にする目的で創貴達の前に現れた人飼無縁だったが、「見たら死ぬ」のトリックを看破した創貴はツナギと共に戦いを挑む。
 2千年生きてるツナギが長崎に核を撃ち込んだって、あの「核」のことでいいんだろうか?そういうギリギリな問題表現、わりと好きだ。そもそもヒロインの名前がギリギリ表現なんだけど。
 ところで、心臓止まってからの創貴のツッコミやら回想やら。長いよ!心臓が頑張り屋さんとか、そんな片付け方でいいの?魔女の心臓はやっぱ人間とは違うのか?あと、人飼無縁の「魔眼」を魔法使いは誰も見破れなかったって、この世界の長崎の科学とか医学とかってどうなんだろうね。
 ちなみに創貴とりすかは今まで93人の魔法使いを殺したらしけど、文中の「魔法使いを殺し」も93回続けてあるそうだ。そういう拘り、ラノベらしいと言えばラノベらしいけど、正直どうでもいい・・・。
 今回、りすかはほとんど出番なしだった。

6話目「出征!」
 創貴が7歳の時、父親の創嗣が4回目の結婚をした。当時から子供らしからぬ思考や態度を持っていた創貴に、4番目の母親であるきずなはこれまでの結婚相手とは全く違う態度で彼と接していた。りすかと長旅に出る日の朝、創貴はきずなと暮らしていた頃の夢を見た。この章は大半がその夢と創貴と父親のやり取りで占め、最後の最後でさて行くかっていう具合。
 きずなさん、私と同い年だな。ちょっとマンガっぽいあり得なさだけど、こういう女性ってやっぱ魅力的だと思う。創貴の父親は現在6回目の結婚相手と別居中らしい。きずなについて父親と話した時の創貴がちょっと気になるけど、この著者は詳らかにしなくても不思議じゃない人なんであんまり気にしてはいけない。伏線と思ってたら肩透かしって事もあって、結構ムカッとくるから。
 旅の最初の目的地はキャンドルシティ。えーっと、博多なんだろうか。そこまでは書いてなかったから不明なんで、3巻を待つ。
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『新本格魔法少女りすか』
2004-08-17 Tue 13:09
新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)新本格魔法少女りすか (講談社ノベルズ)
西尾 維新

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 この世界での長崎県は魔法都市で、住人は魔法使いだそうだ。そのために恐れられ、佐賀県との県境には高い城門が築かれてる。その長崎県から来たりすかは、父親の水倉神檎によって血にあらゆる魔法が織り込まれている。そのため、血を流せばあらゆる魔法を発動できる魔女。時間を操るという、魔法の世界でもレアな能力を操る魔女だそうだ。そんな彼女を「手駒」として共に行動する小学5年生の少年・供犠創貴(くぎきずたか)は、城門のこちら側で魔法を使って狼藉を働く輩達を裁いていく。りすかは父親探しの手がかりを求めて、創貴はより良い手駒を探すため、魔法事件に首を突っ込んでいく。・・・まあ、あれだ。作者は西尾維新なんで、「こういう話」って感じでまとめるのは難しいね・・・。
 地の文はずっと創貴の語りなんだけど、これが平たく言えば生意気な小学生。自分は頭が切れる信じ、自分以外は見下している少年だ。しかし西尾維新がわざとそうしてるのか、それとも筆力不足なのか、いまいち創貴自身が思ってるほど(つまり西尾維新が書いてるほど)は賢くはない。そこがチャームポイントなのかもしれない。「賢い」という雰囲気だけで、具体性がないからいまいち実感が持てないのもこの著者の特徴だと思う。「戯言」シリーズほどひどくないけど。


1話目「やさしい魔法は使えない」
 福岡の駅で電車を待っていた創貴の目の前で、突然同時に電車に飛び込んだ4人。あまりにも不自然だったため、魔法が絡んでると推測した創貴はりすかと共に捜査に乗り出す。


2話目「影あるところに光あれ」
 創貴の同級生・在賀織絵が誘拐された。りすかによると、「影縫い」という魔法で相手の動きを止めることができる影谷蛇之という魔法使いの仕業らしい。彼はその魔法で少女を誘拐・監禁し、首から上だけは自由にさせ、命乞いしながら衰弱死していく姿を見るのが趣味という異常者だった。罠だと知りつつ影谷を訪ねると、彼は水倉神檎と繋がりがあった。
 でりすかは影谷をすごい魔法使いとか言ってたけど、ダーツの矢で「影縫い」する技しか出さなかったんですが?それしかなかったのか?それがすごいの?魔法都市ってそんなもん?


3話目「不幸中の災い」
 2話目の影谷の事件で創貴がやったことが許せなかったりすかは、創貴を避けるようになる。そんな折、りすかのいとこ・水倉破記がりすかを長崎に連れ帰ろうとする。彼は6人の魔法使いが城門を越えてやって来たと言う。
 りすかに帰郷を断られた破記は創貴に説得を頼もうとしたけど、創貴も断ったために魔法を発動させた。破記の血を浴びた者にはありとあらゆる不幸に襲われるという魔法に、創貴は傷だらけになりながらりすかを追いかける。
 最後にはりすかに対して歩み寄りの姿勢を見せる創貴だけど、作者が作者なだけに「自分以外のすべての人を見下した少年が次第に心を許して・・・」とかいう展開には絶対ならないだろうな。


 西尾維新なんで基本的にエグい。りすかの魔法の作動法はカッターで自分を切りつけて血を流すというものなんで、魔法使う度にザクザクやってる。また、ある一定の量以上の血液を流して生命の危機に瀕した時、りすか自身の時間が17年進んで大人のりすかが1分間だけ出てくるという魔法がオートで発動する。大人のりすかはとても強いんだけど、この発動法が脇腹をグサッと刺されてとか可愛らしいもんじゃない。1話目ではミンチ状、2話目では自分で舌を噛み切った後に膨張していき、粉々に破裂する。とまあ、中高生が読むのはちょっとオススメしない感じ。
 でも、全体で見るとわりと面白かったと思う。「戯言」シリーズほど意味不明の死体がごろごろしてたりしないし、何かいまいち足りない創貴の「賢い」という設定は置いといて、魔法の設定とか凝ってるなぁと感心した。
 魔法使いは何でもできるわけじゃなくて、属性(パターン)と種類(カテゴリ)がある。作中できちんとは説明してないから私の印象なんだけど、「属性」は火・水・風・土みたいに作用する自然の要素かな。「種類」は「属性」にどう働きかけるかというものだと思う。りすかは「属性」は「水」、「種類」は「時間」だそうだ。ある魔法使いは「属性」が「風」、「種類」が「召喚」でかまちたちを発生させる。変態影谷は「属性」が「光」、「種類」が「物体操作」で影縫いを使う。スタンド?とか言いたくなるのは、まあ抑えて。
 難を言えば、傍点がやたら多いのは辟易だった。あと、「にゃるら!」には毎回脱力した。
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