元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『GOTH モリノヨル』  乙一
2011-11-29 Tue 11:48
GOTH  モリノヨル
GOTH モリノヨル
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乙一
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 少女を殺して写真を撮る事を趣味にしている「私」は、7年前に黒髪の少女を殺した現場で森野という少女に出会う。彼女は7年前の遺体遺棄現場で自分の記念撮影を「私」に頼む。
 森野は「私」を、唯一の友人に雰囲気が似ているという。


 前回、あれだけ息を呑む展開を綺麗に収めた『GOTH』に、まさかの続編。1話だけだったのが残念なくらい、見事にゾクゾクさせられるサイドストーリーだった。
 今回、樹くんは電話で「私」と話すだけで名前さえ出て来なくて、森野ちゃんは「友だち」とだけ話すし、語り部は「少年」と語る。でも電話越しのせいか、剥き出しの異常性と連続殺人犯を罠に嵌める狡猾さので存在感が冴えていた。普通なら、今後男女の仲になることを連想してしまいそうな関係だけど、樹くんと森野ちゃんに限ってはいつか樹くんが森野ちゃんを殺してしまうんじゃないかと思わずにはいられない。この2人が今後どうなるのか、若い男女の事なのに甘酸っぱさとか皆無の関係が妙に尾を引く読後感だった。
 期待半分不安半分で読み始めたけど、期待以上だった。いわゆる黒乙一を読んでて感覚が冷たく研ぎ澄まされていく感じ、非日常がすぐ近くにある感じ、久し振りにときめいたし、やっぱり私は乙一が好きだと思った。最近改版改訂とか別名義とかばっかで活動してて、ちょっと離れ気味だし既刊本は読み飽きたし・・・って状態のまま私に読書離れ期が来てたんだけど、改めて新しい話を読んで文章も展開も大好きな作家さんだと思う。
 ただ、後半の写真が超いらねー。前半の小説に合わせた写真なんだろうけど、全然良くない。写真にストーリーが感じられないって言うと何様気取りになりそうだけど、雑然とし過ぎてるし意味不明ながら同じような写真もいっぱいあって、首をかしげたくなる出来。本当、何だったんだろう。
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別窓 | [あ行の作家]乙一 | コメント:0 | トラックバック:0 |
映画『暗いところで待ち合わせ』 レンタルしました
2007-07-29 Sun 22:45
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 『きみにしか聞こえない』の映画化がとっても良かったから、『暗いところで待ち合わせ』もレンタルしてみた。
 良かったのは、原作に近くて変な改変がなかった点と、主人公ミチル役の田中麗奈の演技力の素晴らしさ。全盲に近いくらい全く見えてないけど一人暮らしは営めてる、という設定をとても自然に演じている。しかも目を開いて演技してんの。目は開いてるけど見えてないという状況が赤ちゃんみたいな無垢さも醸し出してて、見入ってしまった。もちろん、田中麗奈の容姿の美しさありきだけどね。あと、トシオ役の佐藤浩市がアキヒロをいじめるシーンが、本当に怖くて震え上がった。
 仕方ないけど嫌だった点は、アキヒロを外国人が演じたこと。台湾人らしいんだけど、会社でいじめられているシーンがどうしても人種差別問題提起に見えてしまう。そうすると、乙一の持ち味である「ほんの少し周囲に合わせるのが下手な人」が自分の世界を孤独に生きてる様子が霧散してしまう。でも映像では、きっとその孤独感は出せないよなぁ。
 悪くないんだけど、こんなもんかーってとこ。『きみにしか聞こえない』のラストが悲しくも晴れやかで大感動だったけど、この映画は穏やかに優し~く終わっていくから、映像だとちょっと物足りなかったかなぁ。活字だと優しい気持ちで読み終われたんだけどね。映画とかドラマとか苦手だから、ちょっと揺さぶり弱いと我に返っちゃって駄目だね。
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映画『きみにしか聞こえない』を観てきました
2007-06-26 Tue 13:07
 『Calling you』の映画化。基本的には原作に沿ったストーリーだったけど、漫画版で追加されたシンヤ難聴の設定が映画にも組み込まれてた。その改変で、シンヤが他人と話せる喜びに共感して感動する反面、孤独感がリョウとは別物になってしまって作品内の2人の共鳴が浅くなってしまった気がする。私は乙一の描く孤独感と、それが柔らかく満たされるのが好きだから、障害を持ち出すとちょっと違う。でもシンヤが普通の人だったら、もっとぼんやりした話になっただろうしなぁ。
 気になったのはそこだけで、あとは視覚化のいいとこが満載だった。最後にリョウが海で叫んで、ドリカムの歌が流れだすとこであちこちからすすり泣きの声が聞こえてきた。私も危なかったけど、一人で泣いてその後のフォローがどうしようもないからグッと我慢。でもあのラストを思い出す度に、目頭どころか目全体が熱くなる。

 乙一の小説の映画化、『ZOO』を電車で2時間近く掛かる政令指定都市まで観に行ったなぁ。今は政令指定都市に住んでるから、休みの日に楽々観に行ける。配偶者に感謝です。
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『ZOO』  乙一
2007-05-29 Tue 11:57
ZOOZOO
乙一

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 乙一の本は全部実家に置いてきたんで、図書館で借りてみた。この『ZOO』は私の乙一好きの原点だ。
 初めて読んだ時は、何て胸くそ悪い話が詰まってるんだろうと鬱々としながら読んだ。「世にも奇妙な物語」みたいに、暗くて不気味で到達点がわからない話ばっか。でも半分くらい読んだ所でふと、この作者ってこんなに次々と不思議ワールドを生み出すってすごいんじゃないだろうかと思って、それから乙一に夢中になった。
 今回は何度目かの再読。何度も読んだ本だから今さらじっくりは読めないで、かなり読み飛ばしてしまった。でもやっぱ乙一の文章の孤独でクールな感じ私は好きだ。
 この本の中で特に好きなのは、「SEVEN ROOMS」と「神の言葉」だ。って、これって2大グロ話だな。でも、この2話が一番怖くて面白かった。
 他の話ももちろん好きだけど、表題作の「ZOO」はそれほど好きじゃない。奇妙さが物足りないというか、意外性が少ないというか。あとは好き。

 乙一本はこの本が初めてで、もう少しこの作者の作風を知りたくなったんで、次に読んだのは『GOTH』。乙一作品の中でも上位にランクインするほどの代表作。2作続けて当たりを引いた私は、それから乙一が好きになったんだよなぁ。色々思い出して、懐かしさを感じた読書時間となった。
 前に感想を書いたのは4年前だけど、あの時は図書館でこの本を借りていた。で、あの後2回くらい読み返した。図書館に返却してからも時々ふと、この本を読んだ後の余韻が続いて不思議でならなかったんだよね。で、他の作品とか読んで、乙一に魅了されちゃった今に至る。もちろん手に入る本は全部買ってる。あ、最近の『ファウスト』(講談社)は買ってないけど。



2003.08.30
 短編集。
 読み始めてすぐ、気分が悪くなってきた。すごい気持ち悪い話が詰まってる・・・と思いながら読んだ。最初の「カザリとヨーコ」といい、2話目の「血を探せ!」といい、その後の話も、なにこの不思議な世界の冷静な気持ち悪さは。そう思いながら読み進め続けているうちにふと、こんな不思議な世界をこんだけ書けるこの作者はすごいんじゃないかと思い始めた。しかもどの話もラストに捻りが利いている。
 読み終えてからも余韻が続いて、もう一回読んでみた。そしたら作話の細かさに気付いてまた驚いた。面白いかもしれない、これ。短編ってすぐ終わって読み足りないから、私はあんまり好きじゃない。でもこの本に入ってる作品は、どれも短編でしか考えられないくらい短いページにきっちり収まっている。絶妙な展開に絶妙なエンディングで、これ以上長くてもきっと面白くない。
 なんか、うーん・・・。難しいな、この作品の評価は。
別窓 | [あ行の作家]乙一 | コメント:1 | トラックバック:1 |
『天帝妖狐』  乙一
2005-09-05 Mon 15:12
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乙一

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 『天帝妖狐』は改版を読んだけど、初版は話が全然違うと聞いて読んだ。なるほど、全然違う。
 ややホラーテイスト。こっくりさんに呪われて、怪我をするたびに徐々に自分の体が別のものに入れ替わっていく話。基本は改版と同じ。
 以前読んだ、改版『天帝妖狐』はあんまり好きじゃない。嫌な人ばっか出てくるんだよね。いい人は数人。読後に嫌な感じが襲ってきて、1回しか読んでない。一応持ってはいるけど、人に勧めたことはない。同時収録の『A masked ball』は好きだけどね。
 というわけで、改版前がさらに嫌いな感じだったら嫌だなぁと思いつつも読んでみたんだけど、これがなかなか・・・・。何で書き換えたんだろうなぁ。初版の方が悲しさが尾を引く感じでいいと思うんだけど。
 初期の頃の作品だからか、まだ絶賛するほどのものじゃない。でも、これ書いた時の乙一が10代と思うと、乙一尊敬度が上がります。狐と杏子ちゃんとの会話が、孤独感を煽ってていい。何か悲しい小説だったかな。
別窓 | [あ行の作家]乙一 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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