元司書による読書備忘録ブログ。思ったことは全部書き、何様気取りの感想だったり平気でネタバレしたりします。
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『QED ~ventus~ 御霊将門』
2009-05-12 Tue 23:52
QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)QED ventus 御霊将門 (講談社ノベルス)
高田 崇史

講談社 2006-10-06
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 週末、姉のために靖国神社案内にかこつけてタタルを花見に誘った沙織。しかしタタルはいつも通り一方的に神社の説明に入り、折角だから近くにある平将門を祀る築土神社にもお参りに行こうと言う。その翌日、奈々と沙織はタタルと共に日本三大怨霊の一人・平将門の史跡を巡るために茨城に行くことになった。

 平将門って平清盛の父親って思ってた。清盛の話には全くならなかったんでおかしいなと思ってネットで調べたら、血縁関係はあるけど親子ではないようだ。全然知らなかった・・・。
 さて、平将門について何も知らなかった私。こんな名前が日本史の授業で出てきた記憶はあるって程度だ。読み終わっても結局なにした人なのかはよくわからなかったけど、それでもまあ面白かったかな。このシリーズを読み続けてきてるから、ここでも「鬼」や「タタラ」に繋がってくるのかと驚かされる。
 面白いと思ってるわけでもないのに何となくこのシリーズを読み続けてるのって、昔の人が神社や祭りなんかに裏の意味を持たせてたり、勝者が伝説を捻じ曲げていることを教えてくれてるところにあると思う。歴史って奥深いなって素直に思う。
 さて、この巻では人が死ぬような事件は起こらない。代わりに取ってつけたように神山禮子が出てくる。千葉の大学付属病院で働くようになった神山が休みを利用して成田山に行く。そんな彼女の後をつけるストーカーの目線も同時に描く。この話、シリーズ中で最も不要な話に思える。次作で神山さんはまた事件に巻き込まれそうなことが書いてあったけど、それにしても不要。
 あと、沙織は登場以来レギュラーになってるけど、そろそろ奈々とタタル2人で歴史の話をするシーンが欲しいかな。小松崎は一緒にいても黙ってることが多いけど、沙織はちょっとうるさいんで登場はもうちょっと控えめがいいなと思ってる。
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別窓 | [た行の作家]高田 崇史 | コメント:0 | トラックバック:0 |
『QED 神器封殺』  高田 崇史
2009-04-28 Tue 14:08
QED 神器封殺 (講談社ノベルス)QED 神器封殺 (講談社ノベルス)
高田 崇史

講談社 2006-01
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 シリーズ11冊目。結構続くな・・・。
 前作『QED ~ventus~熊野の残照』で、学薬旅行で熊野に来た奈々とタタル。タタルは寄りたい所があるから学校薬剤師会とは別行動をすると言い出し、事件の取材で沙織と小松崎が和歌山に来ることになったために、奈々も和歌山に残ることにした。学薬旅行中行動を共にしてきた禮子も、奈々たちと一緒にもう1泊したい言う。
 5人は合流し、いつも通りお酒を飲みながら語り合った。地酒「八咫烏」からタタルは、三種の神器(八咫鏡、天叢雲剣=草薙剣、八尺瓊勾玉)の話をする。その話を途中で遮り、小松崎と沙織は和歌山市の熱田病院事件の話をした。
 熱田病院のオーナー・熱田光明(こうめい)は殺害されて首と右手首を切断された状態で、毎朝彼の様子を見に来る看護師の石橋由紀子と管理人によって発見された。首と右手首はすぐに外の植え込みで見付かり、犯人が何のためにそれらを切り取ったかは全く謎だと言う。
 翌日、奈々はタタルの神社巡りについて行き、沙織と小松崎は取材に行き、禮子は1那智に行くことになった。禮子は1人で那智に向かう途中、昔の知り合いである御名形史紋(みなかたしもん)に会った。この旅行中にタタルから聞いた話を聞かせると、御名形はタタルに興味を持ったようだった。昼食を兼ねて、和歌山で落ち合った6人。御名形はタタルと同様に、神社や歴史に造詣の深い人間だった。
 タタルと御名形が意味不明のやり取りをする中、熱田病院の竹下事務長死亡の連絡が入る。

 今回の話は三種の神器。日本の神話について語ってあるけど、私の知識はまたしても微妙・・・。全くの無知ではないぶんわからなくもないって程度か。それにしても、日本の神話の登場人物って名前が読めない。最初だけルビが振ってあるけど、途中から誰が誰なんだかわからなくなっていく。
 事件の方は、タタルは話を聞いただけで解決したという感じ。トリックは大した物ではなく、動機もいまいち不明で、いつも通りオマケって感じ。首と右手首を切られた死体の謎は、ただの見立て殺人というだけ。
 それよりも、その先にあった三種の神器を祀る神社の位置関係が面白かった。私はそれほど神社に興味があるわけじゃないけど、結構驚いた。ストーリーがもっと面白ければ言うことないんだけどなぁ。でも何だかんだでこのシリーズは11冊目。文庫版も出ているんだし、それなりに人気なんだろう。歴史好きって多いんだなぁ。私にたっぷり時間があって、タタルが言ってることを理解できる程度に周辺知識を固めつつ読めば相当楽しめるとは思うんだけど。
 「毒草師」の御名形は今後も登場しそうな感じで去って行った。趣味どころか雰囲気までタタルとかぶる男を登場させたことに、何か意味はあるんだろうか。このシリーズがより面白くなる方向で再登場してくれるといいけど。
別窓 | [た行の作家]高田 崇史 | コメント:0 | トラックバック:0 |
『QED ~ventus~熊野の残照』  高田 崇史
2008-08-28 Thu 23:08
QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)
高田 崇史

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 学薬旅行で熊野に行くと知って参加することにした「私」こと神山禮子。人と深く関わることを避けるためだけに、美人で気さくな棚旗奈々さんと共に行動することにした。しかし奈々さんは桑原崇と一緒にいる。結果的に3人で行動することになった「私」は、地元の自分より遥に熊野に詳しい桑原を変人だと思いつつ、次第にその知識の豊富さに圧倒されていく。
 熊野出身であることを隠して旅行に来ているものの、「私」はかつての忌まわしい事件を思い出さずにはいられなかった。そんな私をよそに桑原は日本の神話から、地元人の「私」さえ考えもしなかった説を次々と語る。

 今回は神山禮子さんの一人称で奈々やタタルを語るという、これまでにない試み。それに加えて叙述トリックも加わってるような加わってないような・・・。わかりやすいからミスリードされてるってほどでもないんだけど、このわかりすさが著者の意図したとこなのか試みたけど失敗し得るのかは謎。
 しかしまあ、この新しい試みが面白くない。でもこの作者に限っては、失敗というより「この人ならこんなもんか。メインはそこじゃないんだし」みたいな気分になって批判する気にもならないから不思議だなぁ。
 今回はタタルが熊野に抱いていた疑問を解き明かす。しかし熊野を知らない私にこの話は理解不能すぎ。そもそも日本の神話に出てくる人や神って読み方さえわからない。最初だけルビ振ってあるけど、そこで覚え損ねたらずっとわからない。そういう人物がとにかく大量にいるから、何が謎で何が解明したのかはわからない。
 熊野についてもそうだ。そもそも「熊野ってどこ?」というレベル。熊野古道が世界遺産に登録された時に初めて名前を知ったくらいだし。和歌山県だったんだなぁ。
 ただ、徐福のことは多少は知ってるから、彼が不老不死の薬を求めて日本が来たという説や、神武天皇じゃないかという説は面白いと思った。やっぱQEDを楽しむには題材をどれだけ知ってるかによるなぁ。ていうか私も日本の神話を知らなさすぎなのかもしれない。現代語訳の古事記は読んだけど、その時点で既に読めない名前に翻弄されて意味を把握してない部分が多い。私のような人間は、子供向けの古事記から読み始めるべきなのかもしれない。
 神山さんはずっと気に食わなかった。心の中のツッコミが煩わしい。地の文が不自然なこの著者らしいんだけど、それにしても・・・イラッ。確かに過去は重苦しいけどね。いつか吹っ切ってほしいと思うけどね。でも、猫かぶろうとしてかぶれてない人って何かやだ。かぶるならかぶる、かぶらないならかぶらない!
 それはそうと、小松崎と沙織って絶対デキてるよね。下世話ですが。
別窓 | [た行の作家]高田 崇史 | コメント:0 | トラックバック:0 |
『QED 鬼の城伝説』  高田 崇史
2008-05-10 Sat 18:06
QED 鬼の城伝説 (講談社ノベルス)QED 鬼の城伝説 (講談社ノベルス)
高田 崇史

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 シリーズ9冊目。岡山県吉備津神社の占卜「鳴釜神事」は、その昔に大和朝廷によって退治された温羅(ウラ)の首が釜を唸らせて人の吉凶を告げる。一方、鬼野辺家に先祖代々伝わる大きな釜は、鳴ると当主が死ぬという噂があった。その噂を信じてなかった鬼野辺健爾だが、婚約者の妙見明日香に「後で蔵に来てごらん」と誘った直後、蔵の中で生首死体となって発見される。
 ジャーナリストをしている熊崎宛てに、この事件の投稿が来た。その事件を取材に行くという小松崎に、前から岡山で趣味の寺巡りをしたかったタタルが同行すると言い出し、ついでに棚旗奈々・沙織姉妹も誘って4人で岡山旅行をすることになった。タタルが急用で遅れるため、先に岡山入りした3人。少し観光した後に妙見明日香に会いに行った小松崎だったが、彼女の兄の妙見巧実も殺された。その後、鬼野辺家の二男の圭佑が自分が犯人だという遺書を残して自殺した。

 今回タタルが登場したのは物語の中盤過ぎ。そのために解説代役として、岡山行きの新幹線では沙織が岡山の鬼・温羅について調べてきたことを披露する。岡山に着いてからは小松崎に手紙を送った若い女性2人が詳しく勉強して開設するという設定。こういう女性たちって結構引くんですけどー。でも、それをやっちゃうのがこのシリーズ。人物像や会話や地の文の不自然さなんか気にしちゃいけない。
 タタルが合流してからは事件が急展開。圭佑の遺書は本物であること、手段、動機まで解明させる。同時に温羅伝説と桃太郎伝説の関係も考察する。殺人事件はいつも通りオマケみたいなもんだったんだけど、温羅伝説の方がかなり面白かった。
 このシリーズを読んでいていつも思うのは、この歴史に詳しかったらもっと楽しめるだろうなぁということ。私は場合によっては奈々より知識がないこともあり、よくわからないまま読み進むことが結構ある。しかし今回の話は桃太郎伝説。日本で一番有名な話と言っても過言ではない。だから今回の歴史考察は、かなり面白かった。
 このシリーズでここまで面白いと思ったのは、「ベイカー街の問題」以来だ。やっぱ取り上げられてるテーマの前知識がどれだけあるかって大きいもんなんだな。この本のタタルの説明だけで素人が理解できるほど上手くストーリーに溶け込んでないから、結局何となくってだけで読み流してるからすぐ忘れる。過去のシリーズ思い返してみても、どんな事件だったかとか歴史考察とかもう覚えてないし。2~3回読めば理解できるし記憶に残るのかもしれないけど、そこまで魅力を感じてるシリーズでもないしなぁ。まあ、機会があれば読み返そう。
 桃太郎伝説は、丑寅の方向が鬼門だから反対の方角である動物「戌」「酉」「申」を連れて鬼退治に、という説が一番一般的だと思う。私も、昔の人って方角で験を担ぐとか能天気だなぁという程度にしか思ってなかった。でもタタルは、思いっきり根底から覆してくれた。この説の信憑性を高いと思うのは、私が単純だから?
 このシリーズの「式の密室」辺りから毎回賤民の歴史に触れ、次の「竹取伝説」からは必ずタタラに触れる。日本の歴史ってそんなにタタラ場から土着民を追いだしてきて利益を奪い、彼らを「鬼」として忌み嫌う風習を作ってきたんだろうか?それともこのシリーズがやたらとそんな話を取り上げてるだけ?私にはよくわからないけど、根深さには驚かされる。
 これだけ取り上げてると、ふと『もののけ姫』を思い出した。あれって朝廷がタタラ場を奪おうとしてどんちゃかやる話だけど、シシ神が首飛んで大騒ぎになってアシタカとサンが首を返して終了という、うやむやな結末だ。でも歴史的に見て、エボシ達はは結局朝廷にタタラ場を奪われるんだろう。QEDシリーズを読み続けて、ふとそう考えた。舞台モデルは出雲だそうだから、エボシ達も土蜘蛛とか呼ばれるようになるんだろうなぁ・・・と関係ない所にまで思考が飛ぶ。
 最近、奈々はしっかりとタタルを意識してるし、沙織も小松崎も気付いてる。それとは別に、沙織と小松崎がえらく仲いいのが気になる。ダブルカップルになるのか?50歳の男性が書いてるミステリーで?いやまあ、著者の年齢性別は関係ないと言えばないんだけどね・・・。
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『QED ~ventus~鎌倉の闇』  高田 崇史
2007-11-29 Thu 22:19
QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)
高田 崇史

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 奈々の妹・沙織が仕事で鎌倉の街を取材すると言う。新しい目で鎌倉を見ることができないかと考え、タタルを誘った沙織。タタルは奈々が行くのならと承諾し、奈々はタタルが行くのならと、3人で鎌倉に向かった。今回もタタルによって、歴史の闇が明かされる。
 源氏が鎌倉に幕府を開いたことによって始まった鎌倉時代だが、実際はいかに北条氏が牛耳っていたか、源頼朝が鎌倉にしか行き場がなかったこと、銭洗い弁天や鶴岡八幡宮の本来の意味とは、等々知られざる鎌倉満載。って、もはやこれは「教科書に載らない鎌倉の歴史」だな。
 一応推理小説のスタンスは崩さず、無理やり殺人事件を挿入してある。無理やりだ。偶然にジャーナリストの友人・小松崎に会い、彼から事件の話を聞くという程度。それでタタルは事件を説く。いやもうこの無茶っぷりは絶対わざとだと思う。そう思うと、シリーズ通しての「歴史考察」と「殺人事件」のフィット感のなさもありかな。
 歴史の話は面白かった。殺人事件の方は、かなりオマケ的レベル。
別窓 | [た行の作家]高田 崇史 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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