読んだ本をひたすら記録する備忘録ブログ。思ったことは全部書き、平気でネタバレしてます。
『馬と少年―ナルニア国ものがたり5』  C.S.ルイス
2008-05-13 Tue 23:27
 
馬と少年 (ナルニア国物語)馬と少年 (ナルニア国物語)
C.S. ルイス C.S. Lewis ポーリン・ベインズ

岩波書店 2005-09-10
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 カロールメンという国で父親と2人で暮らしている少年シャスタは、奴隷として売られそうなところをものいう馬のブレーと共に逃げ出した。ブレーはナルニア国の馬で、子供の頃にさらわれてからずっと普通の馬を演じていたのだと言う。シャスタとブレーは、途中で同じように馬に乗ったアラビスという少女に出会った。彼女は政略結婚をさせられそうなところを逃げてきたところだと話した。彼女が連れた馬フインもナルニアのものいう馬だった。 2人と2匹は一緒にナルニアを目指すことになる。
 途中でタシバーン国のラバダシ王子が宣戦布告もなくナルニア国に攻め入ってスーザン王女を攫おうとしている計画を知り、このことを一刻も早く知らせるためにナルニアへと急ぐ。

 今回の話は、「ライオンと魔女」で洋服だんすからナルニアに入ったピーター、エドマンド、スーザン、ルーシィがナルニアを統治している時代の話。4人の年齢に関わるようなことには全く触れてないけど、そこそこ大人になってるようだ。ていうか物腰が完全に大人の王族仕様で、ちょっと寂しいような、また出てきてくれて嬉しいような気分。
 ラバダシはナルニアの手前のアーケン国では略奪を行う予定だったけど、ナルニアとアーケンの連合軍が勝利を収める。この世界ってナルニア以外にも国があって、しかもナルニア以外では動物はしゃべらないんだなぁ。すんごい特別なんですね、ナルニア。
 シャスタはナルニアの4人にアーケン国のコーリン王子と間違われた事件があったけど、シャスタは実はコーリンと双子であり、アーケンの第一王子だったことが判明する。それまでが結構悲惨な道のりだったから、素直にめでたしめでたしと思えて良かった。
 児童文学なんで戦争のシーンでも大怪我や人が死んだりすることが少ない。そのため、捕虜にしたラバダシをどうするのかと思ったらアスランが登場。ロバにするというのがナルニアらしいし、この惨さのない平和な感じが安心する。
 シャスタが結構波乱万丈で面白かった。

1986年刊。アマゾンの画像は新装版。
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『星を継ぐもの』  ジェイムズ・P・ホーガン
2008-04-01 Tue 00:25
星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン

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 月面で真紅の宇宙服を着た死体が発見された。身元不明の死体は仮にチャーリーと名付けられる。綿密な調査の結果、チャーリーは死後五万年以上経ているにも関わらずあらゆる点で地球の人間と同じ特徴を持っていた。この謎を解明すべく、原子物理学者のハントはUNSA(国連宇宙軍)から招待を受ける。同時に生物学者や言語学者など、様々な分野の学者が呼ばれて調査に当たることになった。
 しばらくして、木星の衛星ガニメデで宇宙船の残骸が発見される。年代測定の結果、その宇宙船は二千五百万年前のものと判明した。しかもその宇宙船の中からは、地球上の生物とは全く異なった生物が発見される。また、古代地球で生息していた様々な動植物も積載されていた。
 一方、言語学者のグループでは月で発見されたチャーリーが携帯していた手帳の解読が進む。手帳はチャーリーが記した日記であり、その内容に研究チームは騒然となる。

 本格SFを読むのは、多分人生で2回目。『タイタンの妖女』以来2年ちょっとぶりだ。SFってジャンルはそもそもあまり人気ないジャンルだと思う。人気の本や作家を適当に読んでるだけの私は、避けるつもりはなくても自然と手に取ることはなかった。創作物語があまり好きではない配偶者が珍しく読みたいと言った本だから、ついでに私も目を通しとくかって感じで読んだだけだ。
 最初はかなり小難しかった。スラスラ読むことができず、ゆっくりゆっくり理解しながら読まないといけない。横になって読んでたんだけど、本が落ちた状態で目が覚めるということも何度かあった。これが半分くらい読んだところで、急に面白くなってきた。
 結論から言うと、かなり面白かった。「謎が謎を呼ぶ」という言い方がこんなにしっくりくる本も珍しい。新しい発見はどれもセンセーショナルかつ謎に満ちていて、ひとつの謎が解決したら新しい疑問がいくつも持ち上がる。
 諸説が挙げられた挙句、生物学者のダンチェッカーが挙げた説に一応の説得力が見られたものの、最後の最後にハントがこれ以上にない結論を導き出した。人類進化のミッシングリングは地球古代史の謎のひとつだけど、作中でのハントの説はそれも矛盾なく解説されていて、「おぉぉぉぉ!!!」となった。
 しかしそれだけじゃ終わらないのがこの本がすごいとこ。ダンチェッカーがハントの説の続きを考察したんだけど、それがまた「うおぉぉぉ!!!」という納得ぶり。読み終わってから、物語と現実の区別が付かなくなってしまってて危なかった。「そうか、私達の祖先は・・・」とか考えかけて、「いやいや、この本はドキュメンタリーじゃなくてフィクションなんだった」みたいな。
 それにしても、この本が書かれたのは30年前なのに全然古臭くない。多少時代を感じさせるアイテムがあったりもするけど、微々たるものだ。物語は一貫して、新しさすら感じさせられる。これだけの物語が今日まで映像化されていないというのが非常に残念だ。
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『銀のいす―ナルニア国ものがたり4』 
2008-03-21 Fri 23:24
銀のいす (ナルニア国物語)銀のいす (ナルニア国物語)
ポーリン・ベインズ 瀬田 貞次

岩波書店 2005-09-10
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 「ナルニア国ものがたり」シリーズ4巻目。ジル・ポールはユースチス・スクラブからナルニア国の話を聞いた直後、2人はナルニア国に行くことができた。ジルはナルニア国に着いてすぐにユースチスとはぐれるが、ライオンに出会う。ライオンはジルに行方不明中のリリアン王子を探すように命令し、そのために4つの「しるべ」を与えた。ライオンの力でユースチスと再会したジルは、ナルニア国の沼人・泥足にがえもんと一緒にリリアン王子探しの旅に出る。

 前回の船旅はちょっとたいくつな所もあったけど、今回は厳しい道のりを徒歩で旅する。これまでで一番“冒険”という感じがして面白かった。不吉なことばかり言うけど頼りになるにがえもん、巨人の国、地下の国、リリアン王子の救出、魔女との対決、地下からの脱出など、次々に何かが起こってはらはらドキドキだ。
 考えてみたら1と2は国内紛争だし、最終的にはアスランが解決している。3の船旅は未知への旅でありながらどこかのんびりしている。ルーシィやエドマンドはそれほど苦労してないし、景色の描写が延々と続く辺りでは眠くなったりしてたし。
 今回は主人公達が徒歩で旅をし、トラブルを自分達だけで解決する。それが終始ドキドキの展開を生んでいる。
 今回はペベンジー兄妹は出てこない。彼らのいとこユースチスと、ユースチスのクラスメイト・ジルがナルニアに行く。ナルニアは『朝びらき丸東の海へ』から数十年が経っているようで、カスピアン王は年老いているうえにリリアン王子の行方不明で弱ってしまっていた。
 リリアン王子が戻ってからすぐに他界したけど、アスランのおかげでユースチスと再会できてよかった。ついでにジルとユースチスはアスランの力を借りて、元の世界のいじめっ子達に一本くれてやることが出来てよかった。
 私はこの巻が、これまでで一番面白いと思う。

 1966年刊。アマゾンの画像は新装版。
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『さいはての島へ−ゲド戦記3』  アーシュラ・K.ル・グウィン
2007-08-07 Tue 20:20
さいはての島へ―ゲド戦記 3さいはての島へ―ゲド戦記 3
アーシュラ・K. ル・グウィン

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 またまた主人公が変わる。父親である国王の命令で大賢人ゲドに、世界のあちこちで魔法の力が弱まっていくとい報告をしに来た少年アレンが主人公。ゲドは魔法使いの頂点、大賢人として登場する。
 ゲドとアレンは世の中でどんどん魔法が廃れていく様子を目の当たりにしながら、西の果てで生と死の境の扉を閉めるための旅を続ける。
 1巻では若者が自分と戦うことを、2巻では自由の苦しさと喜びを描いてきたけど、3巻は人間の欲とか快楽の追求というところかな。
 アレンの感情は、旅を続けるにつれて揺れていく。ゲドへの憧憬が不信に変わったり、物騒な輩からゲドを守ろうという決意が絶望を目の当たりにして諦めに変わったり。やっぱり最近の「仲間を信じて!」というファンタジーとは一味違うなぁ。人間の感情の奥深さがしっかりと描かれているものは、ファンタジーではあまり見ない。だから、ご都合主義とか言ってファンタジー嫌いの人多いのかもな。
 『ゲド戦記』は40年近く前から少しずつ出版されているシリーズ。だけど人間の根底まで掘り下げ、そこから汲み上がった物がうまく絡まった物語だと思う。暗いけど。
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『ダイヤモンド・ガールズ』  ジャクリーン・ウィルソン
2007-02-28 Wed 16:50
ダイヤモンド・ガールズダイヤモンド・ガールズ
Jacqueline Wilson 尾高 薫

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 かなり前に読んだ本だから、微妙に記憶が定かじゃないけど・・・。これを読む少し前に読んだ『シークレッツ』でこの作家さんに軽く興味を持ったから、最新作を読んでみた。これもハイティーン向けの本だ。
 ダイヤモンド家は母親と、父親がすべて違う四姉妹という一家。長女は彼氏に夢中、次女は自分の美貌を鼻にかけたわがまま娘、三女は逞しくて喧嘩っぱやい子。四女ディクシーが主人公なんだけど夢見がち少女。さらに母親が思い込みが激しい女性で、またまた父親が違う子供を身ごもっている。占いで次こそ男の子が生まれると信じて、母親は四姉妹の意見を無視して引越しを決意する。私には全員クレイジーな一家にしか見えないんだけど・・・。何かもう、導入でちょっとげんなり来た。
 四女のディクシーの父親の紹介でブルースという男性に手伝ってもらって引越しをするけど、行ってみるとものすごくひどい荒れ放題の場所。元のアパートにも戻れず、途方に暮れる5人。ブルースはディクシーに泣きつかれて帰るに帰れずせっせと手伝いをする羽目になってしまうけど、その最中にぎっくり腰になって身動きが取れなくなってしまった。
 さらに母親が産気付いて病院に運ばれたけど、産んだ途端さっさと戻ってきてから様子がおかしい。男の子が生まれると信じていたのに、生まれたのは女の子だったことを必死に隠す母親。何か読んでて、この本の中の「常識」にクラクラした私は頭が固いんだろうか。
 そんな中、ディクシーは近所の高級住宅の娘メアリーと仲良くなる。母親から虐待を受けている様子のメアリーを何とか助けようと試みるけどディクシーだけど、裏目裏面に出てしまい・・・。と、こんな感じの事件てんこ盛りな本。
 この本、登場人物が全員個性的すぎる。読んでいて気分悪くなるほどに皆わがままで勝手放題。ディクシーはかわいらしいけど、ちょっと妄想壁すぎるし・・・。
 こんな風にドタバタと色んなことが絡みながら進んでいくけど、ラストはやっぱり家族だなって思わせてくれる終わり方だった。最後まで読んで良かったって思えた。読後感がいい本っていいよね。
 前に読んだ『シークレッツ』もそうだったけど、これも母親がものすごくダメなシングルマザーだ。確かイギリスの作家だったと思うんだけど、こういう人がいかにもいそうな社会なのかな。恋愛に対して自由すぎるし、子供を振り回しすぎるし、非現実的な考えすぎる。そりゃ日本にもそういう女性はいるだろうけど、中高生向けの本に「母親役」として出てくるかなぁ。そりゃ日本は、ハイティーン向けの文学が遅れてるみたいだけどさ。
 でも、これだけの事件を1冊にまとめて子供目線で描き、なおかつ暗くはない。読み始めは好きになれなかったけど、読み終わると面白かったと思えた。
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